Nicotto Town


藍姫の本棚♪


夢日記26 『ボディガード』 (後)

ふっと男が口元を緩めた。

「いいや、君を頼まれた」

「誰から?」

「君のお祖父さんに当たる御仁だよ」

「お祖父様がどうして?」

「それは後で話そう」

男がこちらに手を差し伸べる。
一瞬、躊躇したけど、私はその手を取った。

男の手は死人のように冷たい。
だが、力を使い、発熱している私には、丁度いい冷たさだ。

「P&Pホテルで、君のお祖父さんの使いが待っている」

寝不足と 力の使いすぎと 緊張感からの解放が、睡魔を引き寄
せる。

抵抗 空しく、意識が遠のき、吸い込まれるように 私は男の腕の
中に納まった。

「ワタシが君を守る。今は安心して休むがいい」

笑った男の口には、吸血鬼の牙が見えた気がした。




 

「スイートルームを……」

「話をするだけなんだから、そんな高価な部屋でなくていいわ」

「目が覚めたか」

「今、さっきね」

気を失っていると思っていた私が、急に口を挟んだので、男は
驚いたようだ。

「やはり、スイートがいいだろう。当分、一緒にホテル暮らしをす
 る事になるのだからな」

「一緒に? それって……」

「おはようございます、お嬢様」

ん? 新しい顔が増えてる。

金髪のショートカットが似合う活発そうな女性だ。
年は、私よりも十歳以上は上だろうか。

ああ、彼女が祖父の使いとか言う人?

「出来たら、個室が三つある最上級のスイートルームでお願いし
 ます。ああ、わたくしはヒュンレアット・マックノドル」

「あ、もしかして、ヒュー?」

「光栄です、お嬢様。わたくしを憶えていてくれましたか」

ヒューは、祖父の屋敷に招かれた時、迷子になった私を助けて
くれた人だ。

一族が雇っているメカニックで、対怪物用の兵器を作るエキス
パート……でいいのよね?

「わたくしもお嬢様の護衛につきますので」

「護衛?」

「彼女にはまだ何も話していない」

「そうでしたか。これは失礼しました」

「護衛ってどう言う事? 本家で何かあったの?」

「せっかちだな、君は。まずは落ち着こう。どうせ、エドの金だ。
 ケチる事もあるまい」

部屋の鍵を受け取り、男がさっさと歩き出す。
早々に 男のお姫様抱っこを辞退した私は、急ぎ足で男の横に
並んだ。

「ちょっと! ケチで悪かったわね。私は どうせ庶民ですよ」

「ああ、すまない。悪い意味で言ったんじゃないんだ。あのエドの
 孫娘が倹約家なのには驚いたが」

「大貴族の父は、庶民出の母と駆け落ちしたの」

「知っているよ。君は母親似だ」

「お母様を知っているの?」

「まあね」

私は、まじまじと男の顔を見つめた。

お祖父様をエドと呼び、母とも知り合い?
若そうには見えるけど、何者なんだろう?

「お嬢様は、彼と知り合いなんですか?」

私の後ろに従っていたヒューが軽い感じで聞いてくる。

「いいえ、今日、会ったばかりよ。ヒューも知らないの?」

「ええ、わたくしは、もう一人の護衛と ここで合流するようにと、
 旦那様に言われただけですから」

「お二人さん、ワタシの自己紹介が必要か?」

「そうね。お願いできるかしら、ただの通りすがりさん?」

「ワタシは……」

こうして、奇妙な共同生活が始まった。
 
 ~ END ~

 
 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・
 
2007/9/9 に見た夢です。

お祖父様は、怪物と服従させる魔法“絶対服従”を使うようです。

でも、ただの通りすがり さんは、服従している訳ではなく、友人

なのだとか ^^

ただの通りすがりさんは、私の母とも知り合いで、どうやら いい

雰囲気だったようです (◡‿◡✿)

その辺は何があったのか 語られませんが。。。






今日で、8月が終わりですねぇ。

でも、暑ぅ~い!!

この時期に真夏日になるなんて、信じられません。

なぜか夜も涼しくならなくて、いつも以上に疲れます ><

週末が恋しい。。。

アバター
2010/09/02 21:09
>黒猫☮詩奈さん
 生活の援助は受けていたみたいですが、基本的にはバイトしたりして、
 自立していたみたいです ^^
 でも、これ以降は、そうもいかないでしょうね。
 ビバ! お嬢生活w \(●^o^●)/
アバター
2010/09/02 17:09
こちらもごくう・どらえ・・・以下同文
お嬢様生活(?)いいなぁ・・・




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