海の上に浮かぶ小さな島。そこがエレンの目的地。
見た所、緑はいっぱいだが、建物はないようだけど……。

クーデターを起こしたヤツラに対抗する為の最後の砦、か。
やはり、エレン達は国王派なのだろう。

「じゃあ、俺は、エレン派って事で」

「？」

懇親の直球が、またもや伝わらず……残念無念。

島に近づくと、ヘリコプターが迫ってきた。

趣味の悪いド派手なピンク色のヘリは、今にも小銃を打ち込んで
きそうだ。
もっとも、空飛ぶ人間に戸惑っているってのが、現在の心境だろ
うけど。

「念の為に聞くけど、エレン。あれはどっちだ？」

「敵」

「オーケー、スクラップ決定！！」

先手必勝がスタイルの俺は、空気の固まりでヘリを押さえ込んだ。

でも、血なまぐさいのは嫌いなんだよね。
これでも俺は博愛主義なんだ。

爆発させないように空中で手早く分解しながら、俺は、ヘリをそっ
と海の上に浮かべた。

“神の見えざる手(笑)”で作り上げた鉄くずのオブジェは、なか
なか芸術的だ。

うむ、芸術は爆発しなぁ～い、ってね。

「ふっふっふ、これで我輩達を追っては来れまい」

でも、基地の近くに敵がいるって事は……。

「様子をみた方がいいだろうな」

俺達は岬に先端に下りて、身を隠した。

「動くのはもう少し暗くなってからにしよう」

「はい」

「少し休んでおくか」

洞窟の奥に隠れて、俺達は夜を待った。
ちゃんとカムフラージュしてあるから、外からは解からないだろう。

立て続けに力を使いまくった俺は、迂闊にもウトウトしてしまった。

目が覚めると、俺は簡素なベッドに寝ていた。

「あぁ～あ、今朝も目覚めは最高……って、エレンは？！　ここ
　は どこだ？」

突然、ドアが開き、空港で見た二人組が現れた。
確か、エレンの仲間だって言ってたよな。

って事は、エレンは無事に同士と合流できたって訳だ。

「お前は何者だ？　あの力は何だ？」

女の方が、きつい口調で尋問（？）を始めた。

ほぉ～、日本語、上手いじゃん。勉強してるねぇ～。
なんて感心していると、女がサイドボードを叩いた。

冷たいアイスブルーの瞳には、自分を振り回した男（勿論、俺）
への怒りが見て取れる。

美人に睨まれるのは悪くない。
こういう女ほど、二人っきりの時は甘々なんだよね。

それよりも、男の方がヤバいな。目が据わってるし。

「貴様、なぜプリンセスをさらった？」

「さらった、だと？　俺は誘拐犯か？！」

俺はおっちゃんに頼まれたんだよ！
大体、あんた達がだらしないから、俺がエレンを守ってここまで
来たんじゃないか！！

って、落ち着け、俺。
カッとなりやすいのは悪い癖だぞ。

でも、男の方とは気が合いそうもないな。

いつでも力を発動できるように さりげなく構え、今にも噛み付き
そうな男に、意識を集中させる。

「待って。敵、違う。テツロ、恩人」

ん？　この声は……。

「エレン！」

「プリンセス！」

は？　誰がプリンセス？？

偉そうな二人組が、膝を折って控えた。

部屋に入ってきたのは、エレンとおっちゃんだけ。
おっちゃんがプリンセスって事はないだろうから、当然……。

「エ、エレンがお姫様？！」

「はい」

エレンは初めて会った時のように、俺に微笑んだ。
　
　～　ＥＮＤ　～
　
　・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・
　
2007/5/5 に見た夢です。

夢の中で、やけに元気な時や、痛み、熱、寒さを感じる時は、

リアルで体調が悪い時が多いです ＾＾；

この時は、どうだっただろう？

全然、憶えていないです ＾＾；




いや～、熱っぽい ＾＾；

でも、咽喉の痛みが少し軽くなったので、一晩休めば、かなり

回復する……はず。

駆け足だけして、今日は眠ります ＾＾

ブログを読む＆コメントは、週末までには。。。ｍ（＿ ＿ ）ｍ