Nicotto Town


藍姫の本棚♪


<リレー>まぁるいおそらはだれのもの?(113)

「翔雅さん、実体もないのに、キノコなんてどうするのかしら?」

沼の畔で休んでいた水華が、ポツリと呟きました。

霧の森で、キノコを探すのは大変です。

食材や料理の事となると人が変わる深柑なら、見つけるのは簡単だったでしょう。

でも、彼女には、昼食の準備をお願いしてあります。

なかなか見つからない苛立ち紛れに、水華は、沼に石を投げ込みました。

霧がかかっていて、沼の底は見えませんが、水面に幾重にも広がった波紋は、綺麗な円を描いています。

「課題クリアで星4つ。それと新しい魔法陣、か」

水華は、星籠の腕輪を ぼんやりと眺めました。

今、水華の腕輪に収まっている星の欠片は 26個。

ここでの課題さえ終われば、第一段階の目標までは、あと少しです。

「さて、再開しますか」

水華は勢いよく立ち上がると、魔法で火の玉を作り、辺りを照らして……。

いきなり、飛び出してきた何かが、パクッと火を飲み込みました。

「もぐもぐ、ごっくん!」

「え、スーちゃん?!」

「水華さん、キノコなら、さっき迷っていた時に見かけましたよ。お手伝いします」

火喰い鳥の雛が「見つけてくれた お礼なのです」と言いながら、飛び上がりました。

「こっちです、水華さん」

「うん、ありがとう。スーちゃん」

水華は、彗火の後について歩き出しました。





「まずは雑草だよな。後は、この石畳のデコボコを……嘘だろう。これを一人で?」

燐悟は、遊歩道の上で、途方に暮れていました。

でも、やるしかありません。

「石畳の上をかすめるくらいの火で雑草を……」

燐悟は、魔法陣を書くと、炎蛇を作り出しました。

でも、炎は直ぐに消えてしまいます。

幻視の森は水要素が強いので、火の魔法は強めにかけないといけないようです。

「よし、もう一回だ」

燐悟は、最大出力で炎を放ちました。

と、今度は炎が大きすぎて、遊歩道の脇にあった木の枝に火がついてしまいました。

「わっ、それはやばい!」

燐悟が炎蛇を取り消し、慌てて消火したので、少し焦げた程度で済みました。

「難しいなぁ。ま、水華なら、辺り一面焼け野原だろうけど」

燐悟が水華の顔を思い出して、苦笑した時……。

「私がどうかした?」

「え、水華?! どうして、ここに?!」

「燐悟が心配だったから……」

「え……」

優しく微笑んだ水華に、燐悟の胸は早鐘のように高鳴りました。





「これを、こうして、こうすると……完成ぇ~!」

深柑が、持ってきた食材と森の木苺を組み合わせて、お団子のような物を作りました。

「それは何ですか?」

興味津々で、彗火が尋ねてきます。

「深柑流いちご大福だよぉ~♪」

「綺麗ですね」

「料理は見た目も大事だからねぇ」

「うぅ~、食べられないのが残念です」

火喰い鳥である彗火は、固形物を食べられないのです。

「スーちゃん用に火球を出すからねぇ」

「ありがとうございます」

「ええとぉ、テーブルになりそうな……あ、この切り株、使ってもいいよねぇ」

深柑は確認した訳ではなさそうですが、翔雅は『いいわよ』と答えました。

翔雅にとって、食事会なんて何百年ぶりでしょうか。

もっとも、実体がないので、食べる事は出来ませんが……。

「それにしても、水華ちゃん達、遅いねぇ」

「そうですね」

『あっ!!』

翔雅が、何か思い出したように大声を上げましたが、深柑には聞こえません。

「十賢者さま? どうかしましたか?」

彗火が反応して、初めて深柑は、翔雅がこの場に残っていた事に気付きました。

「え、何? 翔雅さん、ここにいるの? 何か知ってるの?」

『すっかり忘れてたわ。この森の防御魔法』

「森には魔法がかかっているそうですよ」

深柑に そう通訳するのと同時に「どんな魔法ですか?」と、彗火が尋ねました。

『水を汚したり、森の木を焼いたりすると発動するの』

「どんな事が起こるのですか?」

『この“幻視の森”の名前の由来になった事が。でも、大丈夫よね?』

彗火が翔雅の言葉をそのまま伝えると、深柑は渋い顔をしました。

「う~ん、かなり心配かもぉ~」

  *★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*

初めて、このシートだけ非公開UPしておいて……と言うのを

やりました ^^;

一日一ブログの体裁を保つ為に ^^;;

昨日は、体が辛くて それ所ではなくて。。。

なので、ここのコメントは、29日ではなく 30日に書いてます。

ともあれ、113話UP完了ですw

次回114話は、藤名瑞希くんです。ヨロシク~♪




今日は、病院で点滴して、お薬を貰ったので、かなりいいです ^^

健康第一ですねw

アバター
2010/10/01 19:08
>藤名瑞希さん
 言わないですねぇ~^^
 そんなキャラじゃないですからw
 ある意味、燐悟の願望なのかなとww

 早く寝たのですが、ちょっと頭痛が ><
 今年は、本当に妙な天候ですよね。瑞希さんも気を付けて ^^
 そうですね。リレーは一人では出来ません。
 頼りにしています ^^v
アバター
2010/09/30 20:02
やっぱりかw そんな可愛い台詞を水華がいうはずがない!(マテ
迷わされるぞ~…w

っと、また体調ですか><
季節の代わり目なのでまだまだ気をつけてくださいね><
リレーは一人じゃ出来ませんからw




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