こんな夢を見た……。
　
　
　
町で奇妙な事件が増えだしたのは、私が“あれ”を手放して
何年も経ってからだった。

比較的大きな町だが、これと言った事件もない。
ＴＶのニュースで伝えられる凶悪犯罪は、遠い町の出来事。

そんな平和な町が、ある日を境に荒れだした。

理由もなく振り上げられる拳。
些細な事で起こる他人との諍い。

人々の気持ちが不安で満ちていた。

それが、“あれ”の所為だと感じたのは、私が かつて所有者
だったから。
　
　
『通行人を殺傷した犯人は、二人組の男。民家に押し入り、
　狩猟用のライフルを二丁と銃弾１０発を所持している模様。
　尚、二人組は△□中学の制服を着用。同校に通う学生と
　思われます』
　
　
警察が慌しく走りまわるが、神出鬼没な二人組を捕まえる事
はできないだろう。

最悪の場合、射殺命令が出る。

私には、彼らの凶行を止める義務がある。
　
　
『犯人は現在、温泉入浴施設で人質をとって立てこもってい
　ます。今の所、要求はありません』
　
　
私は、すぐに現場に向かった。

警察と野次馬で ごった返す中、裏口からスパに進入する。
静まり変えったスパ内は、まさに嵐の前の静けさだ。

「……よ」

「や……て」

遠くから声が聞こえる。

私は足音を忍ばせ、なんとか人質が集められているホール
まで到達した。

後ろ手に縛られ憔悴した者。物言わぬ骸となった者。
温泉特有の硫黄臭と、微かな小水の臭いに混ざって、血の
臭いもする。

遅かったか。
すでに一嵐、来ていたようだ。

が、この場には、肝心の二人組は見当たらない。
いったいどこに行ったんだろう？

「早……ろよ！」

「た……て」

まただ、声がする。
私は誰にも見付からないように声のする方へ移動した。

「おら、さっさとやれよ！」

「早く殴らないと、こいつで腹に穴を開けるぞ！」

「分かった。いや、分かりました」

人質に、別の人質を殴るように命令してるようだ。

「どうせ、おれらは死刑になるんだ」

「お前らも同罪だ」

確かに、彼らが外で殺したのは三人、ここでも四人は死んで
いるだろうから、未成年でも死罪は免れないだろう。

自暴自棄になりながらも、二人の目は獣のように輝いていた。

元々、強い攻撃衝動があったとしても、“あれ”がなければ、
あの二人だって、こんな事件は起さなかったはずだ。

一刻も早く、二人を正気に戻さなくては……。

それに、これ以上、人を傷つけさせてはいけない。
ここを包囲した警察が、狙撃命令を出すかもしれないのだ。

まずは、騒ぎの大元を押さえる事。
今の私なら“あれ”の悪意に理性を失う事はない。

私は、二人の前に飛び出した。

時間がゆっくりと流れていく。
打ち出されたライフル弾の弾道が、私を かすめて壁にぶち
当たる。

間合いを詰め、二人の足元に置かれた“杖”に手を伸ばす。
まるで、定位置に治まるように、杖は私の手の中に戻った。

次弾を装填する時間を与えず、私は杖をかざす。
空気の塊が、二人組に重いボディーブローを食らわせる。

銃声を聞いた警官隊が突入してくる前に、ここから離れなけ
れば……。

杖を一振りすると、私の姿は煙のように掻き消えた。
　
　～　ＥＮＤ　～
　
　・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・
　
2007/9/6 に見た夢です。

魔法の杖に乗っ取られるのが怖くて、自分を失う前に手放したら、

他の人が手に入れて、操られてしまいました……と言うお話で ＾＾；

舞台は、現代なのに 魔法の杖 が出てきます。

しかも、私は魔法使いｗ





咽喉が完全におかしいです(◡_◡ ；)（変な声ぇ～♪

でも、遠くに行っていた友人が、２日まで こちらに帰っているので、

明日か、明後日に遊びに行こうと思います ＾＾

風邪を治さないと。

今日は、ブログのＵＰだけで撤退です ｍ（＿ ＿ ）ｍ