Nicotto Town


藍姫の本棚♪


夢日記40 『モンスターナイト』(1)

こんな夢を見た……。
 
 
 
最近、巷では奇妙な事件が増えている。

理由なき失踪。
そして、発見される失踪者の四肢……猟奇殺人。

年齢にも性別にも地位にも、何ら共通点のない人達が事件
に巻き込まれ、無事な姿では帰ってこない。

その事件に我が一族の者が関わっていると言われるように
なったのは、いつの事か。

つながりのない人達が唯一利用する施設の中に、父の経営
するもの(大学や百貨店、果ては病院まで)があるのは 仕方
がない事だとは思うけど。

今では警護の名目で、警察関係者が家族のように寝食を共
にし、屋敷の中に居座っている。

私達を糾弾する材料もなく、かと言って、唯一の容疑者に何
もしないのは職務怠慢になるからか。

それとも、只端に、私を自由にしたくないお父様の圧力で、
彼らは嫌々、私を閉じ込めておく檻の役割を負った……とも
考えられる。

どちらにしても、ご苦労な事だと思う。

私は、時々、誰かの視線を感じており、つい先日まで、それ
は彼らの物だと信じて疑わなかった。

上手く尾行しているつもりだろうが、学校にまでついてくる者
達の尾行術はお粗末で、学内でも噂になる程だ。

でも、昨日の夜、しっかりとカーテンを引いた自室で、壁に背
を預けていても誰かの目を感じるようになり、その誤解は、あっ
さり解けた。

勿論、私の部屋には隠しカメラや盗聴器の類はない。

私は、探し出せない視線の主を無視する事にした。

他人が多く出入りするようになって、私自身、ナーバスになっ
ているだけと言う事も考えられるし、忙しい父に心配は掛けら
れないのだから。

夕食時、私は いつものように義母の元を訪れた。
元々、この屋敷の使用人だった義母は、私の母が亡くなっ
た時に後妻に入った。

病弱だった実母よりも、私は 彼女に懐いていたし、何より、
義母の息子は父の実子で、私の腹違いの兄だった。

つまり、私が生まれる前から、義母は 父の愛人だったと言う
事なのだが、そんな事情を知らない私は、素直に家族が増
えたと喜んだ。

今は、兄と血がつながっている事実が、私に泣きたくなるよう
な胸の傷みを与えるけれど、この寒々しい家に彼女達がい
てくれて、どれほど私が救われているか……。

でも、彼女達を心良く思わない者は多い。
例えば、その人達は、いつまでも義母を使用人扱いして用事
を言いつける。
そして、跡取りであるはずの兄を蔑む。

父は滅多に家に帰らず、兄は一人で私と義母を守っていた
けれど、屋敷には常に、何人もの親族が出入りしており、代
わる代わる義母を責めた。

結果、明るく健康的だった義母は、みるみる心を病んでいき、
自分の殻に閉じこもっては、日がな一日、部屋から外を眺め
て暮らすようになった。

二階に続く階段は、屋根裏につながっている。
義母の為に、私の部屋の隣に用意されている寝室に、彼女
が寝る事はない。

ドアを軽くノックした後、私は暗い部屋の奥へ進んだ。
椅子に腰掛けたお義母様が、虚空を見上げるようにして微
笑んでいる。

「お義母様、お夕食の時間です」

「まあ、ユーリお嬢様。わざわざ呼びに来てくださるなんて……
 勿体無い事です」

「さあ、お義母様。私に おつかまりください」

お義母様の手を自分の肩において、少し先を歩く。
階段を降りる時も、廊下を進む時も、義母のゆっくりとした歩
みに合わせる。

と、すれ違う親族が私には慇懃な、義母には無礼な態度で
挨拶する。
私は、彼らを見ないようにしながら、食堂へ入った。

今日も人だけは無駄に多い。
父に融資を頼む目的で集まった遠い親族は、私ですら見た
事のない顔ばかりだ。

母が末席に座ってしまったので、私は一人、上席に座った。

見渡しても知っている顔は見えない。
名前が分かるのは、忙しく動き回る給仕達くらいだ。

あら? そう言えば、お兄様がいないようだけど……。
一体、どこへ行ったのかしら。

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

今回の夢は、途中で視点が入れ替わります。

この時、夢と現実を行ったり来たりした為です ^^

一つ目の視点は、富豪令嬢のユーリ。

二つ目は、その兄(名前が出てこないので^^;)です。

本当は、ユーリを全部 見た後、ユーリ兄の夢……だったの

ですが、分かりやすく時系列に並べました。

ユーリだった時には分からなかった事が、兄の時に分かって

なかなか楽しかったです ^^

って、血生臭い事件が起こっているのですが ^^;;





友人には、明日の夜、会う事になりました ^^

う~ん、ここに来られるかなぁ~^^;

風邪が悪化しないようにして、今日もお休みモードです ^^v

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2010/12/05 18:40
>スイーツマンさん
 夢は時間差で、先にユーリ、寝なおしてユーリ兄の視点となる夢を見ました。
 ユーリの方だけでは解決しない事件ですが……。
アバター
2010/12/05 06:43
悲しい設定。
事件はどうすすむでしょうね。
アバター
2010/12/01 22:42
>カトリーヌさん
 “私”の父親は、どこぞの小国の国家予算以上のお金を持った大富豪 ^^;
 あまり家にもいないようです。
 でも、一人娘には かなり甘いようです。

 “私”の父は、人を信じていない所があり、親族には冷たいようです。
 お金の無心をしに来ている者達は、父に会う事も叶わないようで ^^;

 “私”が事件の真相を知る事はありませんが、兄の視点になった時、父と兄が
 組んで、何をしているかが明らかになります。
 正直、兄になっている時は、体がキツかったです。

 今回は、思いっきり 鼻と咽喉にきています。
 ちょっと長引きそうです ^^;
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2010/12/01 02:22
父上は大変な実業家かしらね。
百貨店や大学まで所有しているなんて、ダイエーの創業者なみね。

でも、家族関係は複雑そう・・。
だいたい、こういう家庭には親族同士で、ドロドロした確執がつきものなのよね。

これって、人間の性(さが)かしらね。
事件との関係は? 予測しながら読んでいます。

風邪、早く治してね。




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