『寄生獣』
- カテゴリ:マンガ
- 2010/12/11 20:56:57
『寄生獣』《キセイジュウ》 / 岩明 均《イワアキ ヒトシ》
本書は、謎の寄生生物に右手を乗っ取られた少年のお話です。
自室で居眠りをしてた新一は、突然、蛇のような生き物に襲われます。
新一の右の手の平に穴を開け、体内に進入したソレは、腕を伝い上へ。
慌てた新一は、自分の腕を縛り、ソレが上がってくるのを阻止したのですが、
翌日、自分の右手が 自分の意思に反して変形する事に気づきます。
なんと、新一の右手は、ソレに食べられてしまったのです。
新一の脳が奪えなくて残念だと語るソレ――ミギーとの奇妙な共生生活が
始まった頃、日本各地で惨殺事件が起こります。
その事件に、ミギーの同種が関係していると気づいた新一は……。
と、まあ、こんな感じのお話です。
本書を手にした きっかけは……と言っても、これは私の本ではありません。
弟の本なんです。
彼が、なぜ、今になって、こんな古い漫画を手に入れたのかと言いますと、
小学生の時、遊びに行った友人の家にあったからだそうです。
子供が読むには、青年漫画っぽいような、劇画っぽいような絵で、内容も
重いですが ^^;
(おそらく、私が、その時の弟と同じ年なら読まなかったでしょうねぇ^^;)
なので、かなり古い作品です。
エコだの、自然保護だの、今ほど盛んには言われていなかった時期の漫画
ですが、ものすごぉ~く考えさせられるお話です。
例えば、人とそれ以外の生物の命の重さに違いがあるのか? なぁんてね ^^
まあ、そんな事は、読んだ人が考える事なので、内容をもう少し。
謎の寄生生物が、どこから来たのか? 何の為にいるのか?
それは、最後まで分かりません。
でも、彼らが、生き物に寄生して 脳を食べて乗っ取り、その生き物と同種の
生物を餌にする事だけは確かです。
つまり、犬に入れば犬を、人に入れば人を主食とする寄生生物になる、と ^^;
人の頭を乗っ取った寄生生物は、人の形をした人食い獣です。
右手が変形するミギーのように、頭部が自在に変形します。
彼らの食い散らかした跡が、最初は バラバラ殺人のように言われ、一部の
一般人に寄生生物の存在を疑わせるようになります。
もっとも、寄生生物も知能が付いて、死体を隠すようになったようですが……。
右手は乗っ取られたけど、脳は自前の新一は、結果的に ミギーの協力を得
て、寄生生物と戦います。
結果的に、と言うのは、新一が死ぬと、彼の体の機能を利用しているミギー
も死んでしまうので、ミギーにしたら 新一を守る事は自分を守る為でもある
のですねぇ~^^
ミギーは人間の味方ではなく、あくまで ミギー自身の味方。
だから、最初の頃は、ひどく冷たい印象です。
寄生生物が人間を食べるのを阻止したい新一に“生きる為に食べる事は 生
物として当然だ”とか、“尊いのは自分の命だけ”とか ^^;(身も蓋もない。。。
そうそう、学校で戦いを挑まれた時に、他の生徒を肉の壁にしようとしたり ^^;;
そんな感じで、最初は反発しあいながらも、友好的になっていく新一とミギー。
(変わったのは新一か、それとも、ミギーか……^^;)
後半に入ると、本当に怖いのは寄生生物なのかと考えてしまうエピソードも
あって、感じ方は 人によって変わりそうですねぇ。
おっと、基本 ネタバレ厳禁なので、これ以上は ご自分で どうぞぉ~^^v
と、まあ、かなり分かりにくい説明になってしまいましたが、本作は、映像化し
ても面白いものが出来るかもしれません。
実写でするなら、はりうっど~な技術が必要になりそうですが ^^;
絵は、正直 怖いです ^^;
少年誌や少女漫画ばかりだったので、絵のギャップは……^^;;
でも、内容はと言えば、涙腺の緩い私は泣かされましたよぉ。
そして、いろいろな愛について考えさせられました ^^
題名や名前を考えるのが苦手な私からすれば、まさに神です ^^;
私も男兄弟がいる為、少年誌はよく読んでいたのですが、青年誌は
あまり読んでいませんでした。
どちらの理屈も、それの側に立てば、当然の意見。
萌☆もっこすさんの書かれている 田村玲子は、寄生獣の中にあって、
自分達や人間の事を考えていました。
最後の方で、人間vs寄生獣の戦いが起こります。
数から言えば、一部の寄生獣と人間の戦いですが ^^;
古い作品なので、今 描けば、結末も変わるのかもしれませんね。
私なら……と考えてみるのも また一興です。
田村&後藤の二人は、それぞれ物語のテーマにも繋がるような重要キャラ ^^
特に、人食いの獣である田村 玲子が、人間の子供を育てた時、心に芽生えたものが
何だったのか、もう少し欲しいですよねぇ^^
よく読んでいた「モーニング」に掲載紙の「アフタヌーン」の広告が乗っていて、右手に目玉のついた少年とか、頭の変形した男とか、ビジュアルのショック重視の話かと、敬遠していました。
なるほど、そんな深いストーリーだったのですね。
ワタクシメは、男性誌はあまり読んだこと無いので、
その作品は知らないけど、おもしろそうね・・・ハリウッドさん映画化して。。。
命を保つために、他の生物の命を獲るのは、当然だ・・・・、
考えさせられる理屈ね。
でも、自分の命を獲られるのは、嫌だから、
喰われそうになれば必死に抵抗する、反撃する、
これも命あるものなら、これも当然ね。
当然その寄生獣も、自分が他の生物から喰われそうになったら、
必死に抵抗するのでしょうね。
この作品では、この2つの主張の自己矛盾を、
どう論じているのかしらねぇ。
ミギーが言う事は無情にも思えることだけれど、なるほどなぁと思わせてられるところもありました。
欲を言えば、田村 玲子と後藤にもっと活躍してもらいたかったかもw
かなり グロい感じのお話ですよぉ ^^;
寄生された人は、頭が変形する怪物になって、人間を食べるし ^^;;
絵も怖いですよねw;
私も、弟が薦めるので読んでみて「ああ、結構 テーマは深いな」って ^^
弟がいるので、家の漫画は少年漫画が多いです。私も買っているのがあるので ^^
私の弟は、少女漫画には興味ないみたいです。。。
あ、ついに出たんですね。
近所の書店にはないので、弟にお取り寄せしてもらいます ^^
メッチャ楽しみぃ~♪
昔から名前も知ってたし、本屋さんでも背表紙みたし、友達が「好き!」っていう話もきいてたけど、
・・・・あの絵がなんとなくだめでした^^; タイトルからして内容がどろどろしてそうなイメージもあって。。。
でも、そういう内容だったんですね。
初めて知って、結構興味でてきました/// いつかネットカフェでこっそり読んでみようと思います^^
兄弟がいると自分では買わないような本などもあっていろいろ良いですね///
そういえば、天の祈りと大地の願いもついに2巻でましたよv
相変わらず品薄みたいですけど、やっぱりすごく・・・泣けます///
ぜひ取り寄せしてみてください♪(と宣伝/笑