Nicotto Town


藍姫の本棚♪


夢日記47 『霧の中』(前)

こんな夢を見た……。
 
 
 
「今も 深い霧に覆われたダムの様子を窺い知る事は 出来ま
 せん」

いつもと同じレポートを終えた。

重なり合う山陰が、時折、霧の加減で黒く見える。

墨絵のような山を二つ越えた所にあるダムと、その近くにある
研究所が、テロリストに占拠されてから一年以上経とうとして
いた。

テロリストの無理な要求に、交渉は難航。
これと言った解決策もないまま、長期化した異常な毎日が、
今では すっかり日常となっている。

生活の源となるダムに仕掛けられた爆弾で、云わば、市民全
てを人質に取られたような不利な状況を打破する為に、政府
が秘密裏に動いていると言う話は聞いていたが……。

「先輩、もっと近づきますか?」

代わり映えがしないレポートに、私は苛立ちを覚えていた。

これでもジャーナリストの端くれだ。
多少の危険で怯んだりはしない。でも……。

「いいや、お前も死にたくはないだろう?」

ダムのある山通じる唯一の入り口が白い闇で閉ざされる。
暗いトンネルの向こうにあるのは、多少の危険ではない。
今までそこに挑んだ者で、帰った者はいないのだ。

何かを諦めたような先輩の言葉に、私は力なく頷いた。



 

「おい、応答しろ!」

無線の向こうから聞こえるのは、屍の溜め息と無機質な砂嵐、
か。やはり、全滅……。

「くそっ!」

重く圧し掛かる現実に、俺は、拳を壁に叩きつけたい衝動に
駆られた。
が、しばし目を閉じ、仲間に黙祷を捧げると、静まり返った廊
下を前進した。

斥候として研究所に入った俺達は、目的の物を手に入れた。

天然の要塞と化した研究所の詳細。
ここで捕らわれている研究員の数。テロリストの人数や装備。

そして、ヤツラの……最終兵器。

ここの武器庫の武器は使い物にならなくしたので、個別に持っ
ている分以外は無い物と考えてもいい。

マスコミにも発表されていないヤツラの“最終兵器”には、俺
達の部隊が仕掛けをしておいた。

簡単には起動させる事は出来ないはずだ。
勿論、ここの研究員がテロリストに協力しなければだが。

あとは脱出するだけ。
急がなくてはいけない。作戦開始までもう時間がない。
一時間もしない内に制圧部隊が突入する予定なのだ。

多分、軍が誇る『戦略システム MARIA』が弾き出した作戦
に落ち度はないだろう。
だが、俺達が集めたデータがあれば、成功確率が3%上がる。

!! 足音だ。二人、近づいてくる。

当然、味方の物ではない。俺は身を隠した。
研究所の警備員とテロリストだ。

無論、警備員はテロリストではないが、今はヤツラの忠実な番
犬になっている。

事態の長期化が招いた必然。
ストックホルム症候群ってやつだろう。

気付かれないように俺は近くのドアから部屋に入った。
トイレだった。小さな窓が一つついている。

ここから脱出するか。

俺は、素早く四つある個室を細工して、小窓から外へ出た。

外の空気は冷たく、濃い霧がまとわり付いてくる。

窓の外の狭い足場を移動して、広いグラウンドを見渡せる場
所まで来た。
研究員達が野外研究をしていた。

一応、見張りなのだろうか。
マシンガンを抱えたテロリストが、眠そうに仲間と立ち話をして
いる。

彼らの間に緊張感がないのは、一緒にいる時間が長くなり、
慣れてしまった所為か。

それとも、ここの研究者達は、研究さえ出来れば誰の下でも
いいと言う噂は本当だったって事か。

どちらにしても、建物内にいた人間から、俺達の侵入が伝わ
るのも時間の問題か。

俺はバルーンを膨らませ、空へと飛び出した。

無理を言ってでも、俺は もう一度、ここに戻る。
あの人を、真央”さんを助ける為に……。

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

視点が何度か入れ替わる夢です。

最初は、リポーターの女性。次は、軍隊の斥候。

最後に 真央と言う女性になります。

舞台は、どうやら同じなのですが……。





時間オーバー ^^;

今日も これで終わります。

あ、風邪は、かなり良いですよぉ ^^

鼻は少し残っていますが、よく眠ったのが効いたのでしょう。

駄目押しに、今日もお休みします。。。m(_ _ )m

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2010/12/28 23:25
>3スカーラさん
 私は、気づくと、自分がいない夢が多いです。
 でも、登場人物は分身と言いますし……^^;
 夢を書き留めておくと、何かの時に使えるものがあるかもしれませんよ ^^
 自分や人の経験だけで話を書くと、いつか行き詰ってしまいますから ^^;
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2010/12/28 23:22
>カトリーヌさん
 字は一緒でしたか、真央ちゃんと ^^;
 彼の言う真央は、研究所の研究員の一人です。
 潜入した時に出くわして、薬で眠らせて安全な場所に……。
 と言う動きがあったようです ^^;
 実は、斥候の彼の意識は、↑ ここから始まるのですが、真央の視点では
 遭遇した時の記憶が薄っすらと残っていました。

 山奥の研究所の科学者さん達は、浮世離れした人が多いです ^^;
 大切なのは 自分の実験のみ、みたいな感じなのでしょう。

 一年以上続いているので、馴れ合ってしまったのでしょうねぇ ^^;
 テロリストのリーダーがカリスマなのは確かです。
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2010/12/28 15:45
いつもながら、しっかりエンタテイメントしている夢ですね。
僕も昨夜怖い夢を見たので、書き留めてみたのですが、個人的な事情ばかりで、
小説には仕上がりそうにないです……。
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2010/12/28 11:52
真央・・って、
あのフィギュアの真央ちゃん・・ってことはないよね(笑)
この斥候隊員の憧れの人かな。

研究できれば、誰の下でも良いって、
あのオ〇ム真理教の秀才君たちを、思い出してしまいます(恐)。

そこまで研究員や警備員を懐柔したテロリストって、
もしかしたら怪しい宗教集団の出身かしら(笑)




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