Nicotto Town


藍姫の本棚♪


退魔除霊師 ~シニガミノカマ~ (27)

今日は、いろいろありすぎて、自分で考えていた以上に疲れ
ていたのでしょう。

指定された部屋に入ると、私は布団に潜り込み、直ぐに寝入っ
てしまいました。

そこは冷房が入っている訳ではないのに寝苦しさもなく、暑さ
も寒さも感じない不思議な部屋だったのです。

やはり退魔除霊師の総本部には、何モノかの力が働いてい
るのでしょうか。

快適な眠りの中で、私は瑞希や八重、そして、まだ見ぬ晶に
囲まれて、楽しく過ごす夢を見ていました。そして……。

『な、何故、このような事に?』

翌朝、私の隣では、六郎太が気持ち良さそうに眠っていまし
た。

勿論、私には男と添い寝する趣味はありません。
普段なら、自分が信じられなくなり、頭を柱に叩きつけて悶絶
する所ですが……。

相手がまだ幼さの残る少年で、美形の部類に入る六郎太な
ので、違和感がないのは せめてもの救い……だと思うしか
ありません。

それよりも、問題は、六郎太がいつ戻ってきたのか、全く気づ
かなかった事でしょう。
これでは、小梅が夜這いに来たのかも分かりません。

やはり、右も左も分からぬ環境で、私も緊張していたのですね。

と、外に気配が複数。
昨夜の妖かし達ではなく、ちゃんと人間の気配です。

これは、関係者とお近づきになるチャンスとばかり、その場を
離れようとした私は、数歩も行かぬ内に後ろに引っ張られまし
た。

六郎太が、私の尾をしっかりと握っていたのです。

あれほど、猫又の尾は、命の次の次の次の……次の、次? 
に大切だと言ったのに、話を聞いていませんでしたね。

それとも、自分が寝ている間に、私が勝手に動き回らないよ
うに、ですか?

何にしても不当な扱いです。
そんなに私が信用できないのでしょうか。

私は、六郎太の手に爪を立ててやろうと、天高く腕を振りかぶ
りました。

が、昨夜、止むを得ず傷つけた六郎太の左手が、無性に気
になりました。

六郎太は、自分の体液が万能薬になると言っていましたが……。

左側に回り込んだり、体を飛び越えたりしてみたのですが、
尾を掴まれているので、自由に動けません。

面倒になったので、やはり尾を掴む右手に爪を立てました。
手加減なしで思い切り。

「ぃてぇっ! 何すんだよっ?!」

飛び起きた六郎太が、当然の抗議をします。

『おはようございます、ロク。申し訳ありません。朝から少々寝
 ぼけてしまいました。手の傷は大丈夫ですか?』

「……大丈夫だけど」

爪が深く食い込み、血が滲む程だったはずの傷は、既に痕
も残っていません。

『ほぉ~、では、左手は?』

「左? 別に何でもないけど??」

六郎太は、昨夜の事を忘れているのか、怪訝そうに左手をこ
ちらに向けました。
確かに、全くの無傷です。

「昨日は遅かったんだから、もう少し寝かせてくれよぉ~」

六郎太は、布団に倒れこみました。

『そんなに遅かったのですか? 瑞希さんと二人で何を? 
 まさか……』

「二人じゃないってばぁ~」

『はい?』

六郎太は、寝転がったままニィッと笑うと「オッケー、女の子、
紹介してやるよぉ」と言いました。

『妖かしなら結構です』

「ちゃんと人間だよ」

『……御年八十歳なら遠慮します』

「みんな、オレと変わらない年だって」

『ロク! 頭でも打ったのですか?』

「失礼な! オレは正常。紹介するのは退魔除霊師の子達
 だよ。昨日の夜遅くに神社に集合したんだ」

話している内に頭が冴えてきたのか、六郎太は、起き上がる
と体を伸ばしました。

「今はバラバラになってない方がいいだろうって話になってさ。
 八重さんの事とか、今後の予定とか、仕事の変更点もある
 し、しばらくは、ここから……」

『素晴らしい!』

「一応、聞いとくけど、何が?」

『瑞希さんのような凛々しい女神達が集結しているなんて、
 まさに神の社です』

「……ま、いいけどね」

六郎太が肩を落とした時、軽い足音とがして、襖が無造作に
開きました。

「兄さま!」

部屋に飛び込んできたのは、巫女装束の少女でした。

「兄さま、ご自分で起きていらしたのですね。珍しい事も ある
 ものですわ」

「こいつに起されたんだよ」

六郎太が、面倒くさそうに顎で私を指しました。

小鳥のように、ちょこんと小首を傾げた少女は、なぜか 初対
面にもかかわらず、既視感の伴う笑みを私に投げてきました。

「兄さまを起していただき、ありがとうございます」

兄さま? 六郎太には妹がいたのでしょうか??

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

尾は、どうでもいいのかい ^^;

『イクサノアイマ』&『ツイカイノママ』裏話に突入です。



昨夜、ステプして回っていたら、寝不足&体調不良に ^^;(弱

今日は もうお休みします ^^

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2011/05/22 23:07
>スイーツマンさん
 晶登場です ^^
 今回、八重の外出する(襲撃される)原因を作ってしまったと
 凹んでいる為、起し方が大人しいのです ^^;
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2011/05/22 09:43
おや、ラストの少女は晶嬢?
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2011/05/02 00:42
>Beliver さん
 オケにとって、尻尾は命の次の次の次の次の……次?? に
 大切なものらしいですが ^^;
 話す度に優先順位が下がっている気がします。
 大事にして欲しいなぁ~。尾が分かれてるから猫又なんだからw

 先に瑞希に会っていたので、他の退魔除霊師に狼藉は働かないと
 は思います ^^;
 でも、女の子ばかりで嬉しいだろうなぁ~。
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2011/05/01 13:33
猫の尻尾を掴むと、約三秒後に爪で引っかかれますよ?
尻尾を掴まれているのに気付かないオケって一体…
う~ん、それほど寝入っていたのですかね

これから『オケが壊れる』に一票入れますw
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2011/04/29 23:42
>咲雪さん
 ガッチリと二本全部だと思いますよ ^^
 トカゲの尻尾のように切れたら困りますからw;

 本部所属の退魔除霊 実行者は、瑞希を含む優秀な4人の女性とロク。
 その他に 晶とその補佐役 來夢が、実質の表部隊です。
 オケが昂奮しすぎると、話が進まなくて困るのですが……^^;
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2011/04/29 23:37
>カトリーヌさん
 尾を引っ張ると、力が抜けるのかも ^^;
 寝る子で ネコと言う説のある猫がベースの猫又ですから、寝ている間は
 楽しい夢を見ているのだと思います ^^
 この後、本部所属の退魔除霊師(女性)達が出てきます。
 オケが昂奮しすぎないように、コントロールできるのか心配です ^^;
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2011/04/29 12:11
しっぽ…。
全部ですか?それとも…一本?

また新しい女の子が…。
巫女はいいですよね…。
わたしも着たいなぁ^^
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2011/04/29 02:26
猫又は尻尾掴まれていると、何にもできないのね。
たくさんの妙齢の女性に囲まれている妄想をするなんて、
落ち着くと、さっそくエロ全開、フルスロットル!
これで、目的は達成できるのかなぁ~。。。




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