日曜日。ワタシは、久々に一人で街に来ていました。
晶さまから頼まれた物を買いに来た、ついでに、自分の用事も
済ませてしまう為です。

退魔除霊師を始めてから、自分だけの時間が少なくなってしまっ
たので、効率よく回らないといけないのですが……疲れました。
どこかで座って休みたいのですが、日曜はどこも混んでいます。

「あら、亘理さん？　亘理さんでしょう？」

聞き覚えのある声で呼ばれて、ワタシは振り返りました。
今の声はどこから……？

「こっちよ、亘理さん」

オープンカフェに座った女性が、優雅に手を振っています。

「えっ、先生？！」

ワタシは、嬉しくなって先生の許に駆け寄りました。
と、先生の足元でパンクズを啄ばんでいた小鳥が、驚いて飛び
立ちます。
ワタシは、それを見送りながら、心の中で謝りました。

「……亘理さん、元気そうね」

「はい、先生のお蔭です。その内、学校に会いに行こうと思って
　たんですけど……」

「あら、今は、あの学校にはいないのよ。春から大学病院の心療
　内科に勤務しているの」

「そう、なんですか」

「そんな顔しないの。何かあったら、いつでも相談に乗るから」

そう言って、先生は、名刺を一枚出しました。
仄かにラベンダーの香りがする薄紫色の名刺です。
裏に、携帯番号とメールアドレスを手書きして、ワタシにくれまし
た。

「先生、ありがとうございます。あ、ワタシの番号も……」

名刺の番号に掛けると、先生のバックの中で、着メロが流れまし
た。

「登録しておくわ。亘理さん、今日は時間あるの？　早速、女同
　士の話を聞いて上げられるんだけどな」

「少しなら大丈夫です！　でも、いいんですか？　お医者さんは
　忙しいんでしょう？」

先生は、長い髪をかき上げて、ワタシに微笑みました。
そう言えば、先生は、仕事の時、髪をアップにしていました。
だから、今日は、お休みだと言う事なのでしょう。

ワタシは、先生の向かいの椅子に座りました。
半分しか終わっていない自分の用事は、キャンセルです。

「好きな人、出来たんでしょう？」

「え、分かりますか？！」

「だって、亘理さん、綺麗になったから。頑張ってね、応援する」

「ありがとうございます。でも、聞いてくださいよ。その人、すごく
　鈍くて……」

先生と言う心強い味方が出来て、ワタシは俄然やる気になりまし
た。先生から、大人の女の攻め方を教わろうと思います。

覚悟してくださいね、ロクさん。

　～ ＥＮＤ ～
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(登場人物)

★亘理　來夢 《ワタリ　ライム》
　　水の退魔除霊師。他人の夢に干渉できる 夢渡り。
　　退魔除霊師の統括を行う晶の秘書(補佐)をしている。
　　六郎太に言わせると、今まで出会った中でも５本の指に入る
　　くらい、女らしい女の子だとか。

☆城野下　六郎太 《キノシタ ロクロウタ》
　　地の退魔除霊師で、犬神（属性は金(風)）を体に宿す。
　　数少ない男性退魔除霊師の一人で、潜在能力は Ｎｏ１。
　　瑞希と一緒に並ぶと、男同士にも女同士にも見えるとか。
　　
★榊　瑞希 《サカキ　ミズキ》
　　水の退魔除霊師で、現役最強。
　　最近､自分の気持ちを自覚したようだが、なぜか､六郎太の
　　想い人は、静花だと勘違いしている。

★火沢　螢都 《カタク　ケイト》
　　火の退魔除霊師。
　　幼い頃から六郎太に想いを寄せているが素直になれない。

★朝倉 静花 《アサクラ　シズカ》
　　退魔除霊師ではないが、３体の使い魔(天狐)を飼っている。
　　父方の祖母に当たる人が空弧の姫で、母親は榊家の長女
　　の花子である。

★榊　晶 《サカキ　アキラ》
　　月神子 《ﾂｷﾐｺ》 見習い。
　　ミニチュア版 瑞希を小悪魔風にした美少女（六郎太 談）。

★葛城　美鶴 《カツラギ　ミツル》
　　木の退魔除霊師。
　　螢都が通っていた女子高、鈴香華 《ｽｽﾞｶｹ》 学園の二年生。
　　少々レズっけがあり、小太刀には Ｓだと断言されていた。

★兼光　小太刀 《カネミツ　コダチ》
　　金の退魔除霊師。
　　陽張市にある美大の二年生。
　　普段は穏やかだが、美鶴に言わせると ドＳだとか。

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この話の最後に、ライムの恋の相談者、森先生をｗ

彼女は登場人物表には入れていませんが……女性が多いなぁ～ ＾＾；

妖かしには、性別が男だと思われるのも多いのですが、普通(？)の

人間は少ないですねぇ～。ハーレム状態ｗ




眠いです。昨夜は、８時間睡眠だったのに……。

今日も早めに上がりまぁ～す ＾＾