Nicotto Town


藍姫の本棚♪


退魔除霊師 ~イヌガミ~ (6)

巨大な風車……かと思ったが、それは “観覧車” と言う名で、
ユゥエンチを一望出来る遊具だった。
ちなみに風で動く物ではない。

観覧車には、いくつもの金属の籠が付いていて、中に人が乗り
込むようになっている。

定員八名と書いてあったが、見ず知らずと相乗りする者はいな
いようだ。
我らも、先にイッチャンとモモ姫、次に妹君と許婚殿、最後に犬
神と月神子が 我と共に、観覧車の籠に分乗した。

中は思ったよりも広く、向かい合わせで座れるような造りになっ
ている。
だが、大きな窓は、上部が僅かに開く程度で、何とも息苦しい。

と、外にいた者が鍵をかけて、我らを閉じ込めた。

『何と?! あやつは我らをどうする気だ』

「どうもしないって。一周したら、ちゃんと開けてくれるから」

犬神は、はぁ~と息と吐いた。

「ロク?」

「ああ、ごめん。厄介事が起こって……」

「シズの事?」

月神子の視線がチラリと我に向く。

『いいえ、神子殿。静花の事ではありません。この敷地内で不
 穏な気配を感じましたので……』

「不穏な気配?」

『妖かし、しかも、かなり霊格の高い者かと』

月神子が、形のいい眉を顰める。犬神が、我の話を補足して、
血の臭いの話をすると、今度は考え込んでしまった。

『なに、追われていたのも妖かし者。妖かし同士の抗争であれ
 ば、神子殿が気にする事もありますまい』

「それが、そうも、いかないんだよ」

『何故だ、犬神』

「妖かしの所在地は、榊家で全部押さえてるんだ」

『そうなのか!』

驚いた。知らぬ間に、人に住処を把握されていたとは……。

「でも、この遊園地近辺に上級はいない……はずなんだよなぁ。
 例え、散歩程度でも、場所を移動したら、少なくとも瑞希の耳
 には入るはず……」

月神子は、首を横に振った。
この度の妖かしは、正体不明と言う事か。

「イチローが上級と思ったのなら、そうなのだろうね」

「瑞希、やっぱり……」

「妖かし同士で争うのは、ご法度だ」

「うん、そう言うと思った。今頃、広道さんが、アッキーに同じ話
 をしているはずだ。居場所が探知できたら、メールくれる事に
 なってるんだ」

『犬神よ、居場所を調べてどうするのだ?』

「ふん捕まえて、お仕置きするんだよ。何かの拍子で人を傷つ
 けたら、処分の対象になっちゃうからな」

それは、人の為か、妖かしの為か。まあ、両方なのだろう。

「ロクの友人達は、力がないから巻き込まれる心配はないけど、
 晶は特殊だから……ロクは晶達と先に帰って」

「えっ?!」

犬神が思い切り立ち上がったので、籠が揺れた。

小さな悲鳴を飲み込んで「ロク、危ないから立つな」と、月神子
が弱々しく抗議する。

「嫌だ!」

犬神が一歩、月神子の方に移動したので、籠が更に揺れた。

「ロク、ふざけるなよ」

「ふざけてるのは、瑞希の方だろ?」

「何、言って……」

「アッキーを帰すのは賛成だけど、オレは帰らないからな!」

ほぉ、犬神が月神子に反抗している。これは珍しい。

「ロク!」

「相手は二人だぞ? 瑞希一人でどうにか出来るのかよ!」

籠が観覧車の頂点に達した所で、興奮した月神子も立ち上がっ
た。絶景……のはずの風景は、気持ちが悪くなるくらい揺れて
いる。

「ボクなら大丈夫だよ! イチローに手を貸してもらうから!」

「オレよりも、こいつの方が頼りになるって言うのかよ!」

いやはや、我を痴話喧嘩に巻き込まないで欲しい物だ。

「そんな意味で言ったんじゃない。ただ、もし、妖かしが襲って
 きたら……」

「それなら瑞希だって危険じゃん!」

それよりも、この籠の強度は、大丈夫なのだろうか?
籠が落ちたりしたら洒落では済まない。今はその方が心配だ。

「ボクは自分の身を守れるからいいんだ!」

「オレだって、自分の身くらいは、自分で守れるよ!」

二人は、ほぼ同時に声を張り上げた。

「瑞希に何かあったら、オレは……」
「ロクに何かあったら、ボクは……」

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

ほんの少し、ズレでいる二人。かみ合っていません ^^;

が、今回はデートですからw

仕事の話だけでなく、プライベートをどうにか出したいですねぇ ^^

瑞希は、勘違い(ロクは静花が好きだと思っている)したままなので

ロクに頑張って もらう事にしようかなw




いろいろな事が一気にきた感じで、体が辛いです ^^;

しかも、もうこんな時間だし ^^;;

明日に備え、伝言板のお返しと、お友達のステプだけ回ります。

ブログは、明日以降、ちゃんと読みに行きますね。

って言うか、明日は臨時休日にしてやろうかと目論んでいます ^^

鼻がぁ~、咽喉がぁ~、頭がぁ~、お腹がぁ~。。。

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2009/09/28 21:51
>ゴキブンさん
 アッキーは、完璧な中仕事向きです ^^
 基礎体力は年相応ですし、表立って妖魔を滅する事もありません。
 神がかりや、予知を行いサポートします。
 広道は剣を持たせれば、ロクとも いい勝負をしますよw
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2009/09/28 20:27
アッキーが危ない。
大変だ~。
ロクがんばってくれ。引くな。
藍姫さん広道さんは強いのかな?
心配です。
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2009/09/27 22:53
>らんくるさん
 一番最初に、お互い勘違い(ロクはすぐに気付きましたが)したので、
 先に進むのが難しい状況です。
 まあ、ロクがハッキリ言えば済む話なのですが、意識するとダメみたい
 ですねぇ ^^;
 ロクは、女友達が多い割りに、ずっと彼女がいなかったから…… ^^;;
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2009/09/27 22:48
勘違いかぁ~
ちょっと、悲しいなぁ




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