Nicotto Town


藍姫の本棚♪


<リレー>まぁるいおそらはだれのもの? (43)

「生徒会長の好意を無駄にしない為に、まずは役割を決めましょう!」

何だか妙に張り切っている水華が、いつものように場を仕切ります。

「燐悟と武瞳の話だと、妖精の庭のほぼ中央に、破壊目標“宝玉”があるわ!」

自分用のメモを持っていない水華は、燐悟のメモ帳に庭の略図を書き込みました。

歪な楕円と、雷マークのようなギザギザした線。そして、真ん中に星マーク。

子供の落書きした凶悪な太陽のようにも見えましたが、誰も何も言いませんでした。

水華には気付かれないように、ただ苦笑いを浮かべ、顔を見合わせています。

水華は、誰よりも速く、複雑で難しい魔法陣を描くのですが、なぜか絵が下手なのです。

「棘草は、いくら燃やしても元通りになるから、庭に突入したら即行で、これを叩く!」

☆印に当てたペン先を素早く動かして、×印を書き込むと、水華は顔を上げました。

慌てて表情を引き締めた燐悟、深柑、武瞳、織葡、火和を順に見て、水華は満足げに頷きました。

「草を焼いてから復活するまで、約30秒。それだけあれば、次が出てくるまでに かなり進めるから……」

「あのぉ、よろしいでしょうか、水華さま」

「どうしたの、織葡」

「私達、体力がなくて……。やはり足手まといですよね?」

「大丈夫よ。織葡と火和は武瞳が担ぐから」

「ええっ?!」

思わず、不満の声を上げた武瞳に、水華が凄みのある笑みを返しました。

「生徒会長の好意で、あんた達にも“星の欠片”が行くのよ。ちゃんと働きなさい?」

「は、はいぃ!」

「宝玉の所までは強行突破よ。私が前で道を開くから、武瞳は2人を担いで私の後ろに」

武瞳が、有無を言わさない水華の言葉に、異論を唱えられるはずもありません。

「あんた達3人のサイドは、燐悟と深柑で固めるから、遅れずに付いてきてよ」

「……ぅ、分かりました」

「俺らは、こいつらの横……と、後ろも警戒すればいいよな」

燐悟が、水華からメモを取り返して、三角形を書きました。几帳面そうな直線です。

頂点に丸を描いて、その中に “すいか”

2つの底点にも丸を書いて、それぞれ “りんご” “みかん” と書き込みました。

三角の中程に小さく “ぶどう” “おりーぶ” “びわ” と書き、3人の名前も丸で囲みました。

「そうよ。何度も言うけど、植物は際限なく生えてくるから、極力無視して」

「宝玉の所まで行って、そこで、応戦するんだろう?」

「ご名答。私達は、宝玉の周りで攻撃を防ぐ。宝玉を砕くのは、武瞳達にやってもらう」

武瞳チームが真顔で頷いたのを見て、水華は「大丈夫」と軽く言いました。

「もしも、火力が足りないなら、私達の誰か1人が加勢するから問題ないわよ」

「はぁい、質問でぇ~す」

「何? 深柑」

深柑は挙手したまま「お昼ごはんは、作戦の後? それとも先?」と尋ねました。

「……緊張感がなさ過ぎるのも どうなのかしらね」

「ねぇねぇ、どうするのぉ?」

「先に食べましょう。作戦実行の前に少しでも回復したいから」

「わぁ~い。じゃあ、用意するね、水華ちゃん♪」

「 「 お手伝いします! 」 」

「あ、僕も手伝うよ」

「うん、ありがとねぇ~♪」

4人が慌しく昼食の準備を始めたので、燐悟は手持ち無沙汰になりました。

ふと見ると、一切 手伝う気のない水華は、ぼうっとメモ用紙に見入っています。

それは、生徒会長が残していった長い長い伝言メモでした。

何だよ。こんなの、全然、水華らしくないと、燐悟は少しイライラしました。

小さな棘が指に刺さって、なかなか抜けない時のような感じです。

「あ、あのさ、水……」

「ねえ、燐悟」

「え、あ、何?」

「妖精の庭の最新の地図、作って」

「はぁ?」

「最短距離を頭に叩き込むの。早くして!」

水華の勢いに押し切られ、燐悟は、渋々、白紙を用意しました。

地図作成の魔法陣を展開しようとした時……。

「あ、そうだ。これ、燐悟が持ってて」

水華が取り出したのは、魔力を底上げするアイテム――魔宝石でした。

「これで、強制レベルUPね。……燐悟、頼りにしてもいいよね?」

「勿論だよ!」

なぜか、先程までの燐悟のモヤモヤは、すっかり消し飛んでいました。

  *★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*

44話は、藤名 瑞希くんの担当です。よろしくぅ~。

燐悟が単純なヤツになってしまいましたが ^^;



明日はお題に挑戦ですw

でも、読みたい本って……う~ん、なんだろ??

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2009/10/31 20:19
>藤名瑞希さん
 了解♪
 あとで、読みに行きますね ^^
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2009/10/31 18:54
UPしたよ~^^
話進まなかったけどorz
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2009/10/31 18:12
>藤名瑞希さん
 キャラの崩壊が激しい 今日この頃……^^;
 でも、気持ちは固まりつつあるようで、その辺は書きやすいかなとw

 よろしくです (●^ ^●)/
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2009/10/31 18:11
>スイーツマンさん
 本作は、大筋を決めただけで、藤名瑞希さんと交互に書き進めています。
 リレー小説……と言うか、キャッチボール小説です。なんせ、二人ですから ^^;
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2009/10/31 16:21
あぁ…燐悟が単純に…w
てかキャラがどんどん変わって行くような気がする…w

宝玉壊し任されますた(`・ω・´)ゞ
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2009/10/31 03:33
 全容が判らないままこのシリーズを途中から読んでます。またはじめから戻って読まねば。
 いつもいつも、読んで戴きありがとうございます。




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