Nicotto Town


藍姫の本棚♪


退魔除霊師 ~ヒミコモリ~ (8)

「え、呪術じゃないの?」

って言うか、今、自分がやったと認めた?!

「こてっちゃ~ん。だから、そうだって言ったじゃん。オレの
 話、聞いてたのかよぉ~」

六郎太さんが、口を尖らせる。

「え、でも、万が一って事だって……」

「瑞希の言う事に間違いはないってばぁ~」

ぼく達のやり取りを見ていた少年が、ぼくを見て「白だな」と
呟いた。
少し馬鹿にしたような笑いを浮かべているように見えるのは、
ぼくの気の所為か?

土で汚れた手をパンパンと叩きながら、そいつは、ポケットか
ら折り紙のような物を取り出す。

「じゃあ、本命はボクを探し当てた あんたで、大穴は 真っ青
 になっている そっちのヤツって事か」

少年の人差し指と中指と親指で挟まれた紙に、赤い染みが
ジワジワと浮かび上がってくる。

六郎太さんは、ぼく達を庇うように前へ出て来た。

「本命って何? もしかして、デートにでも誘いたいのか?
 残念だけど、オレには大本命がいるから」

「……が……のか」

ん? 柄佐か?

「おい、柄佐。今、何か言った?」

俯いていた柄佐が顔を上げた。

「あいつがやってたのかよ!」

その目には、怒りの色が見て取れる。何だか危うい感じだ。

「柄……っ?!」

手を伸ばしたが、走り出した柄佐を止める事は出来なかった。

「お前、ふざけんなよ! なんで、あんな事しやがったんだ!」

柄佐は、猛然と紙の術士に飛び掛ったのだ。

相手が怪しげな術を使う事は、すっかり失念してしまったの
だろう。
確かに、背は高い方だが、線が細くて、喧嘩が強そうにも
見えなかった。

でも、当の相手は慌てず騒がす。
手首のスナップを利かせて紙を放った。

どういう仕組みなのか、少年術士の手を離れた紙が、柄佐の
額に張り付く。

柄佐は足を止めた。
いいや、止めたと言うより、動かせなくなったのだろう。

「くそっ、離せ! ざけんなっ!!」

「離せ、ね。話せ” はボクの台詞だよ。これで大穴くんが黒
 確定だ」

「ツカっち! おい、お前、ツカっちを解放しろ」

「そんな事したら、ボクが殴られちゃうじゃない。ボクは無益
 な争いはしない主義なんだよね。あれの場所を教えてくれ
 たら解放するよ」

あれ? あれって何だ??
柄佐を直ぐに助けるかと思ったら、六郎太さんは、深く息を
吐き出した。

「それじゃあ、お前はツカっちがやったと思っているんだな、
 日神子守《ヒミコモリ》

「!」

ヒミコモリと呼ばれて、初めて、少年の目が鋭くなる。
六郎太さんは、こいつを知っていたのか?

「お前……何を知っている?」

どこから出したのか、まるで扇を広げるようにして、少年が大
量の紙を見せ付ける。

「ろ、六郎太さんっ!」

「知っているも何も、元々、オレ達、退魔除霊師は、月神子
 守《ツキミコモリ》とも呼ばれていたんだ。お前らとは対にな
 る存在だろう?」

「お前は例の神社の……」

「そうだよ。これでも実行部隊なんだぜ」

「へぇ、女子ばかりだって聞いてたけど」

「悪かったな。オレだって、この件に派遣されたのが、こんな
 子供だとは思わなかった」

「そう? もっと若いのもいるよ」

なぜか、二人はお互い納得したようだ。
部外者の ぼくが説明を求めてもいいのだろうか?

「ああ、こてっちゃんにはチチンプイプイだよな。説明は後で
 してやるよ」

それを言うなら、チンプンカンプンだと思うけど……。

「それより、どうなんだ」

「ああ、さっきの質問の答えなら、YESだよ。標的の一人が、
 偶々、ボクの小学校の時の友人でね。打ち消したモノを紙
 の乗せて返したんだ。受け取ったのは、そいつなんだろう?」

少年に一瞥されて、動けない柄佐は目を伏せる。

「訳も分からず呪われる心境は、被害者になってみないと分
 からないからね。ボクなら、それっぽい演出が出来るからっ
 て、ボスからのご使命だったんだ」

「ツカっち、さっきも言ったけど、呪術は素人が扱えるものじゃ
 ない。いや、手順が難しくて、玄人も命がけなんだよ」

「……おれが呪いをかけたって、気付いてたの?」

「いいや、確信はなかった。ここに来るまでは、ね」

え?! 柄佐が呪いをかけた張本人?!

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

やっと日神子守《ヒミコモリ》を出せました ^^

ちなみに、彼は以前 出てきたキャラクターの弟と言う設定 ^^

作品が違うので、誰だかは分らないと思いますけど ^^;





ん~、疲れが取れていないです ^^;

昨日はプチ同窓会だったのですw

楽しかったけど、道が凍っていて変な歩き方をした所為か、

筋肉痛です ^^;;

って、もう こんな時間だしぃ~。。。

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2010/01/02 21:14
>ゴキブンさん
 チンプンカンプンですって ^^;

 妖怪は、日本が誇る文化です ^^
 日は 大昔には権力と結びついていましたが、数々の政変後に追いやられ
 何年か前までは山奥の籠もっていたと言う設定です ^^

 以前、どなたかの所で見た妖怪占いでは 女郎蜘蛛とw
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2010/01/02 10:56
次のお話読まないと、チチモミタイです。

妖怪に興味持ちました。
月の神社と日の神社、日の神社には妖怪がいそう
藍姫さんを妖怪にすると、どんなんかなぁ、と思いました。
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2009/12/31 22:33
>スイーツマンさん
 日(太陽)と月です ^^
 月がしない事を 日が担当しています。
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2009/12/31 17:21
対となる勢力。宇宙ですねえ。




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