Nicotto Town


零崎儚織の人間摩擦


小説(?)続きー

※意外と好評だったので続き書いてみました。
※なんかグダグダですいません。
※この話はこれで終わりです。
※そろそろ最初に書いてたやつ書かないとなぁ……。


 時は経ち、時計の針が数度一周を繰り返した。長い方の針が、だ。
 二人の戦士は、敗れ、地に臥してしまった。
「まだまだまだ……です。まだ――闘えます」
 それでもなお、戦士は立ち上がる。勝利のために。
 右手に構えるは銀の匙。それを順手に持ち、己が敵の大地を穿つ。
 匙の限界を超えた量を掬い取る。
 そしてそれを口に運び、咀嚼する。
 甘味が口に広がる。が、それを延々と味わい続けた阿久根の舌には少しばかりの飽きが来ている。
「ううっ……。残しちゃ……ダメです。ダメなんですよぅ……」
 阿久根は弱音を吐く。
 だが、まだ諦めるわけにはいかない、と己を奮い立たせる。
「もっとです……。もっと……盛りやがけぇええええええええええええええええええええええええええええ!」
 一人の少女の慟哭。それは店内へと響き渡る。
 その音は、波紋のように周りへ広がる。
 波紋の中心のすぐそばには、一人の少年が存在していた。
 波紋は少年の心を動かし、そして――
「お前は阿呆か。この状況で更に盛ってどうする?」
 冷たいツッコミを生み出した。
 そのまま少年は息を吸い、言葉を続ける。
「そもそも――食いきれないものを注文するな」
「だってこれを食べきって腹を壊さなかったら『カップル認定』……いえ、なんでもありません」
 阿久根は本音か冗談か分からない言葉を漏らしかけ、言うのをやめる。
 言ってしまえば、もう黒間に付き合ってもらえなくなるかもしれないからだ。
 幸い小声で言っていたため、黒間は怪訝そうな顔をしているものの何を言ったかは分からなかったらしい。
 言葉を飲み込んだ阿久根は、もう一度匙を構えなおす。
 黒間の言うとおりだったからだ。食べきれないものを注文すべきではない。ならば全て喰らうのは己の責任だ。
 そしてまた、大地を穿とうとした時、
「まあまて――無理はするな、俺が食おう」
 黒間がの左手が阿久根の右手を包む。
 そして黒間は右手に銀の匙を持ち、阿久根に代わり大地を穿つ。
 削り取ったものは、すぐさま口へと運ぶ。そして、うまい、と言う。
「そもそも甘いものは嫌いではないからな。少しばかり量が多いだけだ」
「先輩……すいません」
「なに、気にすることはない。俺は好きなものを喰らっているだけなのだからな」
 そう言い、黒間は数分かけて『リア充(以下省略)パフェ』を喰らいきった。最後の方のアイスは殆ど溶けてしまっていたが、それは匙で掬い飲みきった。
 黒間は、ふう、と一息つき阿久根を見る。
「まあ、今度からはこんな物を注文しないことだな」
「先輩……ありがとうございました」
「なぜ感謝する?」
「いえ、気づいていないのならば別にいいですよ」
 パフェの入っていたカップの底、そこには『お前が、お前達がカップルだ!』と文字が入っていた。
 この店の店長かこのメニューを考えた店員はカップル達に武力介入するのか、と阿久根は思い微笑する。
 ……例え先輩が私に向ける気持ちが後輩に対する好意だとしても、いつかきっと……。
 いつかきっと、いや絶対に、と思う。そしてまた微笑する。
 一時は「こんなもの頼まなければ……」と後悔していたが、今の阿久根は幸いだった。
 そしてこの日は、阿久根にとても良い日となった。


 後日談。
「ん? クロ、どうしたの?」
 黒間を「クロ」と呼ぶのは一人だけ。大神綺麗だ。
 彼女はソファの上でうずくまる黒間を見てそう言った。
「くそっ……後輩の前だからといって格好つけすぎた……!」
 あれから家に帰った黒間は、盛大に腹を壊していた。
 理由は問うまでもない。アイスの食いすぎだ。
 それによって黒間は、既に五回ほどトイレへと向かっている。
「んー? 後輩って阿久根ちゃんかな? クロってあの子の前だと張り切っちゃうよね」
「別にそんな事はない。――うっ、腹がっ……!」
 否定の直後、また腹が痛んだ。
「クロはお腹が弱いねぇ」
「いや、お前が強いだけだ。と言うか、何故お前は全裸なのに腹を壊さないんだ……?」
 と、そこでまた腹が痛くなり、もう一度トイレへ向かい扉を閉める。
 洋式トイレに腰をかけ今日を振り返り、
 ……後輩に格好つけて、このザマか。
 そう思う。
 だが同時に、
 ……そするのも、悪くはない。
 そうも思った。
 しかし激痛が腹に走り、その思考は中断される。
 決して楽しくない訳ではなかった、いや楽しいと断言しても問題ない一日ではあった。
 だが腹痛のせいで、黒間にとってこの日は、悪い日となってしまった。

アバター
2011/07/22 21:23
阿久根は可愛いですかw 頑張って書いた甲斐がありあますw
……あれ? こんな感じのやり取りを前に誰かとやったような……。まあいいかw

阿久根の願いは……今は叶いませんねw さて、どうなるのでしょうか……。
人間、大量のアイスを食えば腹を壊しますw 大神は全裸なのに壊しませんでしたが。
……さて、『撃滅のセカンド副会長』の続きを書かなくてはいけません。そうしないと阿久根を本編で出せない(ry

アバター
2011/07/22 20:15
やばい阿久根さん可愛いんですけどwww
阿久根さんの願い叶わなかったじゃないですかっっ
畜生、何で黒間腹壊すんだよぉおおおおおおっ!!!!←



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.