初詣に行こう 3
- カテゴリ:自作小説
- 2011/10/11 18:41:47
紅白を見ながら「スターライトブレイカァアアアアア!」と叫んだのも良き思い出となり、翌日、俺達は神社に来ていた。自宅から駅へ行き、電車、バスを経てここまで着た。途中カップル扱いしてくるバカがいたが……男女が二人で行動しているのが全てカップルだとすれば、仲の良い兄妹はどうなるのだろうか。……いやまあ、大神は外見だけは外人だし、とても俺の妹には見えないけれど。
「さて、神社に着いたし――さっそく帰るか」
「まだお参りしてないよ? ぜんざい食べてないよ?」
流石にこれは冗談だ。
眼前には何十段とある階段が。少々気後れするものの、始めの一歩を踏み出す。さらに一歩、もう一歩と繰り返す。帰宅部にこれは少々キツイが、大神と会話しながら上ったからだろうか、疲れから気が逸れ、意外と楽に登り終えることができた。
神社はけっこう大きく、人もかなりの多さだ。前へ進もうとするたびに肩や荷物がぶつかってしまう。だが、それに気を向けないようにする。少し進むだけでも時間を食う。やはり誰でも元日に初詣に来たいのだろう。……全国民が「元日は人が多そうだから行くのはやめよう」と思えば大神と二人きりになれて楽だったろうに。
……まあ、戯言なのだけれど。
「初詣に来たら、やっぱりとりあえずお賽銭だよね?」
ずっと下らないことを考えていると、隣の大神がそう言ってくる。右手にイカ焼き、左手にフランクフルトを持っている。……いつの間に買ったのだろうか? ずっと一緒にいたつもりなのだが。
「まあ、そうだな」
合意し、足を賽銭箱のある方へ向ける。
大神は巧みに両手の食べ物を人に当たらないようにしながら歩いている。本当に無駄なスキルだと思う。活かせるのは祭りの人混みの中くらいだろう。
数分かけ、俺達はようやく賽銭箱の前に辿り着く。ポケットから財布を取り出しそこから小銭を取り出そうとしたが……よく見れば五百円玉しかない。そういえば十二月二十五日に、記念に某ラノベの最終巻を買ったのだった。お釣りがないように小銭をぴったりに合わせて本屋へ行ったのだった。そのラノベは聖夜を最終決戦の日にし、なおかつ発売日を十二月二十五日にするという素晴らしい作品だった。ただ、普通なら三巻くらい使ってやる内容を一冊にまとめているせいで異様に分厚く、値段も高い。だが、読み応えはしっかりとある。
……話が逸れたが、小銭は五百円しかない。お札なら千円札があるが、流石に英世さんを神へ奉げる気にはなれない。そんな余裕があるのならばあのラノベの次の作品を買うことを躊躇したりはしない。全巻五百ページ越えで一冊の値段は軽く七百円を越える……(経済的な意味で)恐ろしい作品だ。
……また話が逸れてしまった。英世さんを神に奉げる気にはなれないが、かといって 五百円玉を奉げる気にもなれない。せいぜい百円くらいだろう。
仕方ないので、大神から金を借りる事にする。声をかけようと思い横を見ると、大神はイカ焼きとフランクフルトを食べ終え串をビニール袋に入れ、財布から小銭を取り出していた。五円だ。
「……五円でいいのか?」
「ん? 五円と御縁の語呂合わせだよ」
駄洒落かと思いながらも、大神に五円を借りる。手の平に乗せ、勢いをつけて放り投げると、ちゃりんと音がして賽銭箱の底に落ちる。
……さて、何を願おうか? 勉強は、それなりにできている。恋愛は、興味がない。金も、あまり困っていない。……願う物がないな。
俺は両の手を合わせたまま、少し考える。……時間をかけるのもバカらしい。適当なものでいいだろう。
そう思い、俺は適当に願った後、合わせていた手を離す。大神も願い終わっていたらしく、次はくじを引きにいこうと言っている。俺は大神に連れられてくじのある場所に向かう。
――続く――
あー、そのネタありましたね。というか、書いてるときにずっとそれの事を思い出してましたw
教授に何か言ったのは覚えてますが、細かい部分は自分も覚えてないですw
はやみねさんの本を読んでも、確か亜衣ちゃん達は知りませんでしたよね?…あれ、知ってましたっけ?それで『始終ご縁』を払わない教授を責めたんでしたっけ?何も覚えてません…←
それは次回で使うネタです(`・ω・´)
こういうので主人公が問いただされるのはお約束ですw
単にバk……黒間が知らなかっただけです。そういう設定でお願いします(´・ω・`)
…っとと、思わず口調が←
ていうか五円とご縁ってわりと有名なはずですよね?