「あーあ、そんなこと言うから」

　「違うよ、僕じゃない！」

　「じゃあ誰だって言うんだよ」

　「だからさっきから言ってるでしょ？あの子しか居ないって」

　「証拠は」




　「そんなの、」



　「「「　　あの子がここに　来たからさ　　」」」



＿＿＿Let's partY?

＊＊＊＊＊


「誰か居ませんか？」

　古びた洋館にあどけない少女の声が響く。
　手入れの行き届いた豪奢な金髪に、翡翠色の瞳を持つ少女だった。
　身に纏うのは、フリルのふんだんにあしらわれた漆黒のドレス。
　育ちのよさが滲む少女は森で道に迷い、此処に居た。

　しかしどしゃぶりの雨が、今は少女をびしょ濡れにしていた。

　ぎぃぃぃ…と不気味に鳴く扉を押して、少女は洋館に足を踏み入れる。
　返事は無い。


　真っ暗なロビーの床は真っ赤な絨毯が敷かれ、
　豪奢なシャンデリアは黄金で出来ていた。
　蝋燭に灯がともれば、さぞ綺麗なことだろう。

　少女が洋館に足を踏み入れ、数歩ゆっくりと歩みだすと扉が勝手に閉まった。
　驚いて振り返るが、また外に出ようと思ったら折角雨宿りさせてもらおうと
　此処まで来た意味が無い。

　こんなに手入れされた屋敷なのだから、無人なわけが無いのだ。
　夜に灯りがついていないのも、きっともう寝てしまっているだけなのだと信じて―――


「おやおや、お困りですか？」


　そして、眩いほどの灯りが突然少女の瞳を焼いた。
　同時に優しげな青年の声が、上から注ぐ。

　恐る恐る顔をあげると、少女の視界に飛び込んできたのは
　ホールの奥にゆるやかに弧を描く二つの螺旋階段。
　左右に弧を描くその右側の階段の中ほどに、青年は立っていた。

　ショートに切り揃えられた真っ白な髪の毛先は僅かに紅く、
　重そうなテンガロンハットにミスマッチな燕尾服を身に纏う、
　紅い瞳の青年だった。

「ようこそ！」

　しかし少女が声をあげる間も無く、もう一つの声がシャンデリアから降り注ぐ。
　シャンデリアの鎖を右手で掴み、器用に足を引っかけて斜めに立っていた。
　頭の天辺に飾られた桃色のリボンバレッタが特に目を引いた。
　綺麗な前下がりに切り揃えられた
　絵の具に水を足して溶いたようなわざとらしい赤の髪に、
　鮮やかな桃色の瞳を持つ少女だった。
　可愛らしいドレスは赤と桃色が基調とされ、少女の明るい印象にぴったりだった。


「不思議の館へ！」


　すると少女に対になるように、もう一人の少女が顔を出す。
　濃い灰色の髪をツインテールに纏め、
　目が覚めるような深い蒼の瞳を持っていた。
　赤い髪の少女と、まさしく対になるような可愛らしいドレスは白と黒を基調としたものだった。


「お客さんかな？」

　階段の奥の踊り場から、艶やかな漆黒の髪を足首にまで流す、
　黒紫の瞳をした重そうな黒のローブを身に纏う男性が現れて。

「あら、可愛い子ね」

　男性の隣に、いつのまにかゆるくウェーブした真紅の髪を腰まで流した、
　山吹色の瞳の紅いパーティドレスが良く似合う艶やかな女性が寄り添っていて。

「誰」

　その反対側の階段に、男性に良く似た漆黒の髪を腰まで綺麗に流し、
　女性にそっくりの山吹色の瞳を持った、白いドレスの少女が立っていて。

「お茶を召し上がれ♪」

　青年の隣に、淡い桜色の髪をツーサイドアップに結った、
　琥珀色の瞳のメイド服の少女が居て。
　


　どこからともなく屋敷の住人たちが、ホールに集っていた。

　みんな、みんな集って。
　それはまるで少女を「値踏み」しているかのようで―――



　＿＿＿さあ、君は帰れるかな？




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Bad∞End∞NighT

の、アリスサークルキャラのパロを急にやりたくなって書いてみましたｗ


台詞を言ったキャラを当ててみてね／(＾Q＾)＼

続きは書くか微妙です