Nicotto Town


小説日記。


「**になっちゃダメ」 【書き捨て】



# - 残像の焼き場


どうしたら良いかなんてわかりきったことなのに、当然のように身体は動かなかった。

――**になっちゃダメ

嘗めるように地を這う菫(すみれ)色の炎が足元に迫っていた。
今更逃げたって間に合わない。
逃げる気なんて無いけどね――でもさ、出来るわけないじゃん。




「 **。***。***** 」


どんなに愛の言葉を並べても、届かないのを知っている。
アンタにはわかんないでしょ?アタシがどんなに想ってるかなんて。

想いを伝える言葉は意外と少ないみたいで、所詮〝つくりもの〟であるアタシにはそれ以上の言葉を紡げなかった。

――でも本当はわかってるんだ、言葉なんて結局安っぽいってコト。

さてさて、そろそろお別れしようよ。
嫌ならずっと傍に居てあげても良い。
アタシは別に、アンタさえ手に入れば十分なんだから。

アタシたちを造ったのが誰かなんてどうでも良い。
アタシはここに、たとえ作り物だろうと〝生きて〟るんだから。

そしてその人生を勝手に締めくくったって文句を言われる筋合いも無いはずで――

「 **であることが許されないなら、アタシはアンタを*したい 」

勝手に罪に手を汚したって、良いじゃない。

__ま、アタシがアンタと喧嘩して勝ったこと無いけどさ


造られた命なら、それらしく散れば良い。
成長することも寿命を迎えることも許されないなら――壊れたって良いじゃない。

目の前で菫色の炎が爆ぜた。

反射的に目を閉じて怯んだ隙に入れられた蹴りが脇腹にクリーンヒットする。
鈍い音を立てて吹っ飛ぶと視界が二周くらいして止まった。
痛みなんて感じない。
そもそも痛覚さえ無い皮膚には、クモの巣みたいな罅が走っている。
四つ足で身構えると銀色のナイフが顔面目がけて降ってきた。
脚の力を使って上半身を持ち上げて仰け反りながら背後に跳んだ。
立て続けに三本刺さったナイフは微震しながら寸前までそこにあったアタシの前髪をありがた迷惑に散髪した。
おせっかいは嫌いだ。
宙で見えた次のナイフの軌道が真っ直ぐアタシの腹を狙ってくる。
別にそんな場所が砕けたって構わない。
陶器が砕ける音がアタシの腹に突き刺さった。
サボテンになる趣味はないからアタシは着地するとナイフを引き抜いて投げ返した。
でも蹴ってたたき落とされるのが見えた。

――それで十分

アタシは駆け出した。
腹から砕けた部分の破片が零れていくのを感じる。
罅がもう首元まで来ていた。
手のひらを握り込むと青白い燐光が溢れ出した。
真っ直ぐに尖って、槍のように伸びた光は電流が爆ぜる音を立ててスパークを散らした。
間髪入れずにぶん投げた槍は狙い通りに胸を貫通する。
派手に飛び散った破片とスパークの音が止まないうちに――

「 残念でした 」

アタシの目の前が真っ暗になった。

足裏が浮いて真正面から吹っ飛ばされたような気がしたけど、確かめる術はもうない。

やっぱり勝てなかったなぁ、なんて思いながら、

「 ***だった 」

性懲りもなく口にした。



*****

多分人間じゃない奴らの話。

戦闘シーンかきたかっただけです、わかりにくくてごめんなさい(





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