Nicotto Town



好きな5作(男のロマン)

ラズウェル細木が後期コルトレーンのライブを
「男のロマン。女にゃ聴かせたくねえ」と評したことがあります。
ある意味すごく分かる。そんな感じの小説を5作挙げてみます。

1、殺し屋 (ヘミングウェイ)
「拳闘家」と並ぶ初期ヘミングウェイの傑作だと思います。
鉈でぶった切った木っ端を放り投げたような硬派な文体。
映画監督タルコフスキーのデビュー作が、この短編の忠実な映像化だったはずです。
あれ、ソクーロフだったかな……?

2、女王陛下のユリシーズ号 (アリステア・マクリーン)
第二次大戦を舞台とした海洋ロマンの大傑作です。
英海軍の荒くれ男達がこれでもか、これでもかと壮絶な生き様を示す。
カッコ悪いヤツが一人もいない。読むと船に乗りたくなる。

3、寒い国から帰ってきたスパイ (ジョン・ル・カレ)
東西冷戦を舞台にしたスパイ物。凄腕のスパイ、リーパスが主人公。
大変緻密なプロット、重く立ち込める救いの無さが素晴らしい。
なお『私が愛したスパイ』とは何の関係もございません。

4、汚れた英雄 (大薮春彦)
同年代の単車乗りにとってバイブルみたいな本です。角川映画はパス。
北野晶夫の名を知らないヤツは人生で大きな損をしている。
「プロビーニの操るモリーニの重爆の如き排気音」なんて描写を読むだけで
外国の単気筒車を買いたくなる困った本でもあります。

5、濹東綺譚 (永井荷風)
ぜんぜんハードボイルドとは無縁ですが、ここにも初老男のロマン満載。
「真夏でも熱い珈琲を飲む。冷たいものは冷水しか口にしない。」
爺が気取りやがって、でもカッコいい。真夏に和服にカンカン帽、素敵だー。

あ、勿論女性が読んでもよいのです。
でも「面白かった!」と言ってくれた人がいないなぁ……。

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2014/05/13 20:54
>よんさん

こんばんは。チャンドラーは私も苦手でした(原文で読まないとダメという方もいらっしゃるので)。
北方謙三は『ブラディ・ドール』シリーズ等を面白く読みました。雰囲気ありますね。
感情を削ぎ落としたソリッドな文体という点では、ヘミングウェイが宜しいかと思います。
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2014/05/13 20:46
たしかに名前は存じ上げてますが、読んだことないものばかり…。
中学のときに北方謙三のさらば荒野で
初めてこれがハードボイルドか…と惚れこみましたが
その後レイモンドチャンドラーの何かを読んで意味がわからず挫折。
大人になったから、今度は理解できるかなー?



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