Nicotto Town



ああ懐かしのペットロック

初めて飼ったペットが『石』だったというとみな呆れ、
数秒後から妙に優しい眼差しになる。ちょ、ちょっと待てオマエラ。
いきさつを聞いてくれ。河原で拾った石を飼ってたワケじゃないんだから。

1960年代末、家族に連れられ繁華街を歩く私の視界に、
当時流行の格好をしたオニーサンとオネーサンが飛び込んできました。
輸入雑貨のお店の店頭を借りて何やら元気に売っている。
綺麗な小さな箱が山積み。「ペット」という単語が聞こえてくる。

掌に乗るくらいのカワイイ箱には空気穴があいてる。あ、ここから呼吸するのかな。
当時読んだばかりの『星の王子さま』に出てきた羊の入る箱ソックリ。
中には藁が敷いてあって、何やら明るい灰色の物体が……生き物?

アメリカ生まれの革新的なペット『PET ROCK』だそうだ。
吠えない、食べ物不要、トイレの心配なし、主人に従順、たいへん長生き……。
借家住まいで基本ペットを飼えなかった私には理想のペットに思えた。
しばらく釘づけ、後ろ髪を引かれる思いで一旦はその場を後にしました。

でも気になる。買い物帰りに再び通りかかり、
数週間分のお小遣いを犠牲にするという条件でお金を出してもらった。
確か500円くらいだったはず、今の感覚だと3000円以上ではないかしら。

もちろん冗談商品の一種、中にはスベスベした石が入っておりました。
しかし私は同梱された飼い方マニュアルを熟読し、
名前をつけ、愛情をこめて撫でさすり、散歩に行き、一緒に寝たのでした。

このペットロックちゃんは後に我が家で天寿を全うしたインコの墓標となり、
転居を繰り返しながら、今でも庭の一隅に存在しております。
あの秀逸な飼育マニュアルを紛失したのが悔やまれる。

この話をすると誰も信じてくれません。でも本当なんですよ!
ロックにハマったのは間違いなくヤツのおかげなんですから。

アバター
2014/05/03 08:28
あ、その可能性は高いですね。
カウンターカルチャーの雰囲気濃厚な商品だったし。
とにかくマニュアルが秀逸でした。うろ覚えですが……

「まずはペットロックの名前を呼んでみましょう。動きませんね。それでよいのです。
 ペットロックは人みしりですから。
 もう一度、今度は優しく呼びかけながら歩み寄ってみましょう。
 見てごらん! ほら、ペットロックがあなたのほうに近づいてくるではありませんか!」

「ひもをつけてお散歩に連れて行くこともできます。でも気をつけて。
 固いものにぶつかって、あなたの大切なペットロックが怪我をするかもしれません」

「ペットロックは飛ぶのも大好き。時々河原で軽く空中散歩させてあげましょう。
 でも、あまり思い切って放ると、ペットロックが行方不明になってしまいます」

原著は英語でしょうが、訳した人も洒落っ気と茶目っ気に溢れていたんだと思います。
アバター
2014/05/03 06:50
ヒッピースタイルとかの若者の生活費稼ぎだったんでしょうか
でも、今もお庭に鎮座しているとは...
いいお話です^^



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