Nicotto Town



実在の霊はお茶目なのである。


夏である。怪談である。コワイ話でなければならぬ。
夢うつつに知己が現れたり、夢に出てくることは割とある。
ホラーは大嫌いだが、霊魂というもんはあるんだろーなー、と思う。

物が壊れて死を知らせる、ってヤツありますよね。
私はこれを複数体験している。ああ、ありふれたことなんだなと思ってる。
でも、仏壇の花瓶を割って水浸しにしやがるのはいかがなものか。片付けてから死ね。

半覚醒、金縛りで枕元、または足元や中空に浮く知己もおる。
だいたい薄着のヤツばかりである。お、おい、蒲団に入ってくるな。いいけどさ。
亡き女性が入ってきたときは大変暖かく、冷たいとは限らんと認識。以下自主規制。

説教してくるヤツがいる。人の飲み残しのコーヒー飲んで、淹れ直せとか注文する。
しかしオマエ、なんで今日の午後の俺の仕事のミスを知っとるんだ?
そういうもんだから、と説得される。なるほどー、と納得し、和む。

宿泊先に同行してきたヤツがいる。こっちは来たことなかったからと仰った。
交通システムはいかがなものになっているのか尋ねる。こっちも色々大変、と返される。
死後の平安なんて嘘っぱちなんだねー、と応じる。二人で納得する。

みな往年の姿で、彼らの最盛期だと私が認識する姿で現れる。
これが大変嬉しいのだと伝える。その位は気を使うわよ、と返される。
死後もゴメイワクをかけ気配りを強要してるのかと思うと、顔が歪む。

死の遠因等に関して本気で詫びることもある。今殺してもよいぞというご提案も。
どいつもコイツもお前のせいじゃない、とクールに返す(幽霊だけに)。
ここで泣く。泣かねばならぬ。明け方の乾いた涙の痕はオッサンには辛い。

……ことしの夏はまだ来てないな。忙しいのかもしれんな。
あっちではあっちの暮らしもあるだろう。みんな忙しいのだろう。
ヒマならいつでもいらっしゃい。散らかってますけど、何のお構いもできませんけど。




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