Nicotto Town



小さな本屋さん応援団 地味に活動中


今年の私の一大テーマ、小さな個人書店応援プロジェクト。
とっきどき自分のブログに記事をアップしておりますです。
店主の話はどこも似た傾向になります。書籍文化の衰退はもはや止められない。

たとえば。喫茶コーナーを併設したチェーン書店とか、コンビニ併設とか。
もはやそんなものは本屋ではないわい、という意識は共通する。
書物と知識に対する敬意を根底に持つ世代は、情報世代と袂を分かつのです。

たとえば。書物は先人の知恵と思考過程を知る有難い『聖典』であった。
扱い方、置き方にも敬意を払うべきだ。立ち読みにも作法ってもんがあるんだぞ。
ハードバックをガバリと開くな。オマエ、平台の本に自分の荷物乗せるんじゃない!

たとえば。年配者が本の注文にくる。ほとんどの本屋は事情を説明しお断りする。
なぜか。売上第一主義の弊害はデカイ。配本は限られている。入らない。
問屋経由だと数週間はかかる。アマゾンなら数日だ。コンビニを勧める羽目になる。

情報と刹那的娯楽という観点で書物を考える方があまりにも多くなりました。
必要な情報、役立つ知識、オモロイ話がすぐ手に入ることが重要。
知りたいことが分かったらポイ。楽しんだらポイ。消費財としての扱いですね。

そういう方には書店は不要であろう。答えを外に求める方々なんですもの。
あのですねー。佳い書物には何ひとつ『答え』なんぞ書いてないと思うんですよ。
宗教書の類をご覧なされ。あれは解答ではございませぬ。苦闘の過程ですぞ。

哲学はフィロソフィア、『智を愛する』が原義だそうですね。
哲学書ってのも『オレ、こんな風に考えると楽しいんだよね』という呟きに過ぎない。
共感してもよいし、嫌悪しても忌避しても反発してもよい。でも『依存』はイカン。

書物の主張に『依存』する、援用するなんていうのは知性の放棄である。
「作者のようにはなれないけれど、私もせめて考え悩みつづけよう」
そういう勇気をくださるのが良書の条件でございますですよ。マニュアルは本じゃない。

この路線で話を続けると、現代人の痴呆化とか資本主義万能とか、
爺世代特有の繰り言になる。昔から書を愛する連中はそんなヤツばかりである。
地位とか財産とか家柄とか権力とか一切無縁の『弱き葦』の集まりなのです。

ネット文化は即応性、共感性、有用性といったあたりを重視してるみたいだ。
付和雷同型の世論形成が簡単に行われる点では大きな『ムラ』社会にも見える。
(全体主義、ファシズムと紙一重だという点に警鐘を鳴らしてほしいのですが。)

沈思黙考、内省、インプロージョンの時間を与えてくれるのが読書だと思う。
漱石の語った個人主義ってヤツにも近い。迷惑をかけぬソリプシズムかも。
私は幸か不幸か、そうした世代の生き残りであり、書物への愛を抱いて生きている。

書店の衰退、消失とは、内省よりも意志疎通を重視する時代への変容を具現している。
現代人が内省しない、という意味ではないのです。内省の結果抱えた疑問を、
他者との意思交流によって発信し解決することを重視している、というだけです。

人生とは目的意識と努力、達成、更なる高みを目指す建設的なものらしい。
週刊マンガ誌で少年ジャンプが残っていることと、どこか符合する。
等価な万人の自己実現が努力により叶えられる崇高な社会。あー素敵だわ。

泥水すすってドブ板に足突っ込んで生きている余命短き私はご免こうむる。
内に無限の疑問を抱え、何一つ解決せず屑としてクタバル。それが私の生です。
無意味な生にも意味と尊厳があるという思想はおそらく害毒なのでしょう。




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