Nicotto Town



ジャズの10曲(ジャズ初録音から百周年)


あら、今年はジャズの初録音から100年めという事実を知りました。
ではジャズも10曲選ばなきゃならないという崇高な使命感が突如芽生えたのです。
これはロック以上に難問である。パブリックイメージのジャズに合わせてみます。

1、ハービー・ジェービーズ (ルイ・アームストロング ホットファイブ)1928

誰よりもデカく明るい音色で歌心溢れるラッパ、陽性の音楽。
サッチモを聴くなら、ローリング・トウェンティーズの頃の演奏が佳いと思います。
スキャットとボーカルばかり持ち上げられるが、ジャズって集団即興だと分かる。

2、ドント・ビー・ザット・ウェイ (ベニー・グッドマン 他)1938

1938年のカーネギーホールから一曲というのは至難です。黒とか白とか関係ない。
迫力、ロマンシズム、名人芸、ダンス、アンサンブル……全てが入ってると思います。
この日に会場に居たかったとコボすオールドジャズファンが山ほどいます。

3、ココ (チャーリー・パーカー 他)1945

『コンファメーション』も凄いけど、こちらにはディジーのミュートも入っているし、
アブストラクトと批判された跳躍するフレーズがその後に与えた影響も図りしれない。
ビバップってのがなぜ革命だったか、2と比べると分かるのではないかしら。

4、モーニン (アート・ブレーキーとジャズメッセンジャーズ)1958

日本人好みのブルーな感覚に満ちているのが人気の理由でしょうか。
そして黒い。ファンキーという単語が日本を席巻する原因も作った曲です。
この曲を流せば、ああジャズだねとほとんどの人が思う、代表的なアイコン。

5、フラメンコ・スケッチズ (マイルス・デイビス)1959

ジャズを代表する『カインド・オブ・ブルー』から、かなりヘソ曲がりな選曲。
ソー・ホワットを入れないと叱られそう。でもコレ選ぶと色々都合がよい。
トレーンとキャノンボールとエバンスはコレ聴けば十分であろう。けっこう便利。

6、サイドワインダー (リー・モーガン)1963

こんなもんジャズじゃねえと怒る人が大勢いたらしい。気持ちは分かる。
軽蔑をこめてジャズ・ロックと呼ばれた。コマーシャルジャズ初期の傑作でしょう。
ゴーゴー喫茶にモンキーダンス、後のディスコミュージックの偉大な尖兵かも。

7、処女航海 (ハービー・ハンコック)1965

これに激怒した人、未だに大嫌いなジャズファンも多い大問題作。
大正時代末期に横光利一や川端が出てきたときの状況と似てますね。
黒人音楽から遥か離れたところにできた、新しいジャズ砦。この砦が頑強なこと。

8、アンブレラズ (ウェザー・リポート)1971

各アーティスト1枚という制限を作ったので、マイルスを入れないことにした。
電化ジャズって単語で思いついたのは、ウェザーの1stから2曲め、何でしょうコレ。
ザヴィヌルの用意した部屋でショーターとヴィトゥスが大暴れ。でもジャズだなー。

9、サハラ (マッコイ・タイナー)1972

フリーの手前、新主流派でもなく、ジャズロックでもないバランスが持ち味。
フュージョンと言いたくなるものの、マッコイはやはりジャズの人です。
五音音階弾いても日本の民謡とは本質的に違う。そこがジャズなのでしょう。

10、サマータイム (マンハッタン・ジャズ・クインテット)1984

マルサリス騒動どころではない大事件だった。ジャズって何なのか。
名手が集まってスタンダード見事に演ってるのはジャズなのか。業界が震撼した。
これが好きなら健全なジャズ好き、大キライならジャズマニア。さて貴方は?

……思うに、やはりジャズはメインストリーム4ビート物を指す固有名詞ですね。
6以降を聴かなくても問題ないのではないかしら。半世紀以上前に完成してしまった。
後は浸透と拡散に巻き込まれて骨格標本だけが残っている恐竜。叱られそうですが。

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2017/01/22 07:40
>ヘルミーナさん

お早うございます。ブログ拝見しましたが他意はなく、私は『コンファメーション』をジャズとして聴けないのです。
古株のジャズ研究者がやたらと持ち上げる代表曲でして、曲を聴く前にその情報ばかりを読んでいたため、
レコードを手に入れたのち、器楽的な手本・模倣対象として聴いたので、教科書みたいな印象なのです。

またジャズというジャンルへの偏見は、お袋の腹ん中でジョージ川口とビッグフォー以下の日本のジャズを、
生で聴かされまくったのが原因だろうと思われます。北村英治もクレージーもシャンソンもみな一緒。
ジャズというものを器楽による即興演奏だと思っているため、ジャズボーカルは基本的に割愛しました。

固有名詞のジャズってのは50年代末までに完成しちゃったという暴論に、けっこう納得する部分があります。
フリー、ビッチズ・ブリュー、ケルンコンサート、どれも好きですが、おそらくジャズとは別腹で賞味してます。
マルサリスはまだ許せるけど新MJQはどうにも容認できない。別腹でもダメ。BGMの一種だと思ってます。
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2017/01/21 22:00
うわ~こりゃわたしの書き込み読まれてますか?
わたしはパーカー・オリジナルというと、今は音信不通の病気の友人から教えてもらった、
「コンファーメーション」なのです(そういう理由があったんです

アート・ブレイキーの「モーニン」からは「アー・ユー・リアル?」を推すへそ曲がりです。
でも、「カインド・オブ・ブルー」から「フラメンコ・スケッチズ」は納得♪

モーガンは「サイドワインダー」も好きなんですが、
vol.2だか3だかの「ドミンゴ」推しです。

ウェザーは「アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック」の「セカンド・サンデー・イン・オーガスト」を。
そして見事にハンコックの「処女航海」も、マンハッタン~もダメな人が通ります。
「処女航海」はまだ凄みがあるのはわかるので、入門ファンのままだと思っていたんですが、
マンハッタンが大嫌いということで無事ジャズ・マニアに昇格でしょうか?

そして今日はそういう日だったんですね、
お友達がジャズの日云々といっていたのはそれだったのか……>100年



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