Nicotto Town



『傷だらけの天使』懐古


昨夜たまたまテレビでやっていた。コレだ、70年代初頭の息吹だ。
こういうチンピラ度数120%の大人になって野垂れ死にしたかったのです。
こんなスゴイもんを週1回撮影して放送することが可能だった時代の話です。

萩原健一、水谷豊、岸田森、松田優作あたりを好きになったのはテレビのおかげ。
どの俳優もある意味ハチャメチャである。鬱屈した青春がフィルムから匂う。
こういうスターというのは今でもいるのかしら。優等生ばかり目立つ気がする。

アキラ役のオファー、最初は火野正平だったそうです。これも納得できる。
ショーケンと上手くやれたかは別問題だが、それはそれで観たかったなー。
沢田研二の演技もけっこう好きだが、ショーケンは別次元で炸裂してますね。

撮影や脚本も凄い。手持ちのフィルムカメラ使って長回し、ブレブレ。
アメリカンニューシネマの影響もあるが、それがリアルさや緊迫感を生んでいる。
テーマはかなり重い。終戦以降の闇市体験が感じられる回もある。

松田優作の『探偵物語』や沖雅也の『俺たちは天使だ!』も近いものがある。
これらのフィーリングを最も昇華させた傑作には諸説あるでしょうが、
私は松田優作の『ア・ホーマンス』を挙げます。日本最高のアクション物では?

『探偵はバーにいる』や『まほろ駅前』シリーズにはこれらの遺伝子を感じる。
優作さんの息子が出てるから、というのもありますが、匂いが似ている。
あの時代をカッコイイと思う作り手がいるからでしょう。共感するなー。

アウトローヒーローというと洋画スターを挙げる方の多い現代ですけど、
ショーケンや優作の尖った演技は、ぜひ若い方々にこそ見てほしいなー。
爺世代のアウトロー観は、これらの名優に負うところが多いのです。




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