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『文明の生態史観』私観


梅棹忠夫の『文明の生態史観』、ウィキペディアを眺めてちょっと驚いた。
私が読み取った(もちろん誤読)内容とずいぶん違っておりました。
第一地域と第二地域ですか……そうだっけ? 以下、私の誤読の結果。

冷戦期のユーラシア大陸などを想定していただきたい。50年代あたり。
ヒマラヤの左上あたりを中心に、でっかなバツ印を引いて地図を四分割。
北はロシア/モンゴル/中国内陸、南は西アジア、インド、熱帯東南アジア。
西に欧州諸国と北アフリカ、東は日本、韓国、中国臨海部に台湾その他。

風土的に北と南が対置され、東と西は一種の類縁性をもって語られる。
もちろん明確な境界線なんぞ引けません。グラデーションや飛び石もOK。
私が感銘したのは、この仮定を基にした説明の面白さでした。

北と西/東と南という対置で考えると……キリスト教と他宗教という捉え方。
北と東/西と南で比較すると……木の文化と石の文化、なんて発想もできる。
ストロース的なアクロバットでもあるんですが、そこが醍醐味だと思った。

歴史に堪能な方なら、ローマ帝国、イスラム、十字軍の遠征、ルネサンス、
宗教改革、インド史などを重ねて考えることもできると思います。
梅棹の真骨頂だと思ったんですよ、この融通無碍な部分が。

この発想で考えると、その後の世界情勢の様々な部分に説明がついちゃう。
第三世界ってのはどこが名乗ってもいい気がしてきた。まさに多極化。
頭イイ人ってスゴイこと考えるなー、と感心したものだったのですが……。

うーん、どうも私が甚だしい誤読をしたようだ。ウィキを眺めると、
自分の読んだ書物は全く別の論文みたいな気がして反省せざるを得ない。
あとで引っ張り出そう。確か中公文庫だったはずだ。




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