Nicotto Town



徒然なるまま日ぐらしジャズ



年末年始ジャズ三昧。外出自粛でブライアン・イーノが、
音楽を聴く楽しみを思い出したという趣旨の発言をしてましたが、
確かに聴く楽しみを取り戻すには良い機会なのかもしれません。

4ビート、アコースティック、バップイディオムという王道ジャズばかり。
マイルスのIngシリーズ、ソニークラーク、ハンクモブレー、エルモホープ、
デクスターゴードン、初期のトレーン、ブラウン&ローチ等々。

ノートPCの左右にスピーカー2種、背後のPCにもスピーカー3種。
交互に鳴らしてるのですが、背後から中程度の音量で鳴らすのが結構好きです
すぐ珈琲が飲みたくなる。よく入ったジャズ喫茶を思い出してるのかな。

老舗や名門ジャズ喫茶にはあまり通わなかったけど、
明大前の『マイルス』にはよく入りました。ママは他界し閉店したとか。
日本一入りにくいジャズ喫茶という評価があったそうだが、そうだったかな?

優秀なワタクシは独逸語が大好きで、四年間選択する必要があり(泣)、
教養課程が終わった後も週に1度は明大前に通わねばならなかったのです。
JBLパラゴンを鳴らす顔馴染の『しま』か『マイルス』で時間を潰しました。

60年代末を引きずった『マイルス』の暗く陰気な雰囲気が好きだった。
スピーカーは覚えてないなぁ。小型JBLか国産のブックシェルフだったかな?
寒い雨の日に駆け込み珈琲飲んでほっと一息入れるのに最高のお店でした。

ジャズを音楽学校で御勉強なさった優秀な音楽家の方々が、
新主流派以降の流れを継いだ高度に技巧的な演奏をなさってらっしゃり、
そうした方々の音楽がジャズと認知されてるようですね。どーでもいい。

なぜ受け入れ難いか考え『Blues』の欠如という結論を出しました。
ブルースってのはマコトに表現しづらい音楽でございますが、
私の好むジャズには必ずブルースフィーリングが入ってるようです。

ロックでもブルースベースのものが好きで影響も受けました。
メタルや近年のプログレは私にはクラシック的に聞こえるんですよね。
様式ありき、古典的技巧ありきというのかな。ブルース魂は皆無です。

ブルースって音楽は、バークレーや偉い教授すら避けて通る難解なモノです。
サンハウス、ロバートジョンソンあたりを聴けば一発で分かるんですけど。
ショボい、ダサいと思ったら、ブルースはその人に無用の音楽でしょう。

ブルースは黒人音楽であるというのは代表的偏見の一種ですね。
例えばホワイトブルースという音楽形態が欧米にございます。
60年代のブリティッシュのミュージシャンがみんな通った道なのです。

日本のGS期にもこの流れがあり、60年代末のニューロック期に花ひらく。
ロックンロール命という方々もブルースには足を向けて寝ないのです。
私もこの世代に近いため、ブルースフィールの有無を重視する傾向があります。

ボカロDAW世代の音楽を享受できない理由がおそらくこのあたりにありそう。
いや、電子音楽や、ブルース皆無の欧州即興系も大好きではあるのです。
ただ受容回路が異なってるんですね。楽しみ方が違うというのが適切か。

もっとも、真にクラシック的なクラシック魂というものだってあるでしょう。
音楽ってのは魂の彷徨/咆哮なわけでして、表現形式なんてどうでもいい。
ショパンもアイラーもシドバレットもみんな、いい。

間章は阿部薫の没後に「私は阿部を何度でも地獄に突き落とす」と書いた。
バタイユやセリーヌにカブレた発言と思ってはイカン。彼はその後こう続けた。
「阿部は阿部の、私は私の地獄を突き進む」……これ、ブルースだと思うなぁ。




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