Nicotto Town



フリージャズ界隈の怖さを再認識す



フリージャズ「も」聴くヤツと知己になるのは構いませんけど、
フリー狂や前衛演奏家には近づかぬが吉。アタシが言うんだから間違いない。
心温まる話題を二つご紹介いたしやしょう。

1、Black Unity Trio って知ってました?

即興系の動画眺めてたら右側にこの名前が出ていて聴いてみたんですが、
まずジャケに驚いた。イスラム過激派かと思う物騒さを漂わせてる。
タイトルも凄い。『Al - Fatihah 』……聴いてみた。文句なし、大好物!

このアルバム、フリー界隈で最後の幻の1枚だったそうです。
1969年に自主製作で500枚だけ、昨年アナログで初再販されたという。
メンツはこの後ESPと関わったりアイラーと共演したりするから実力派揃い。

69年で管/ベース/打楽器というトリオの名盤というと、
高柳の『インディペンデンス』を思い出すんですが、あれより好き。
高柳盤と違い、三者の対等な位置取りが凄く好ましい。

アラビックな雰囲気がほぼ無かったのにも安心した。
マルコムX世代だものね、こういうジャケで出したかったんでしょう。
しかし怖ろしい。全く知らんトコに達人は幾らでも潜んでるんですねぇ。

2、カンパニー社って知ってました?

上のトリオのメンバーのインタビューがWire誌に出ていることが、
この出版社のツイートに出ていたので、ついでに会社のHPを覗いてみた。
出版物が濃すぎるというより、ニーズどんだけあんだよ!という素晴らしさ。

『日本フリージャズレコード図説』の前身は自費出版本じゃないかな。
15年以上前、ディスクユニオンで見かけ買うか悩んだ自費本に似ている。
ジョン・コルネット著『フリーインプロ聴取の手引き』ってのは凄そうだ。

大里俊晴のCD『間章に捧げる即興演奏』、津田貴司のドキュメンタリー本、
没後50年のアイラーに関する評論集、岡島豊樹のソ連ジャズ本……
『ジャズ批評』誌が一番面白かった時期の寄稿者や編集人が集結してるのか!

社名は勿論、ベイリー主催の『Company』から頂いたのでしょう。
設立は2017年、翌年には『批評』誌の松坂妃呂子氏が他界してます。
ある意味、松坂氏の志を継ごうという気持ちもあるのかもしれんなぁ。

でも偏向甚だしい(大好きだけど)。岡島編集長時代の『ジャズ批評』は、
岡村融氏の超保守的レコード収集譚あり、寺島や後藤の正統派評論あり、
原田和典が森高千里とJBを褒め、林家こぶ平もキテレツなレビューを書いた。

雑然としたエナジーには度量やユーモアも感じられ好ましかった。
カンパニー社みたいに尖鋭化しちゃうとちょっと怖くて近づきがたい。
やはり怖ろしい。フリーや前衛って、マトモな大人にここまでさせるんですねぇ





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