Nicotto Town



台風に似合うジャズを探す。



休みでよかった。信じられぬほど涼しく、久々に珈琲を入れる。
秋、珈琲ときたらジャズであろう。さて何にしよう。
とりあえずCDプレーヤーの前に積んだ山から一枚抜き出す。

ハンコックの『The Eye of the Hurricane』。無難でしょ。
でも物足りない。嵐の前の静けさっぽい落ち着かなさが欲しい。
性急で落ち着かないといえばビバップ、パーカーだろう。

『Koko』にした。失敗。パーカーのフレーズは好きだから耳を持っていかれる。
騒がしいドラムが欲しい。方向を変えミシャメンゲンベルグとハンベニンクに。
74年の『EinePartieTischtennis 』。これまた失敗、ちょっとコミカルだ。

森山威男『My Dear』から『Stormy Silence』にしてみた。
違う。もう少しアブストラクトな方向でお願いしたいの。
一曲目の『Non Check』のほうが不気味さと不安定さが佳い。コレか?

待て待て。不安定といえばジュゼッピローガンの1stでしょ(偏見)。
一曲目『Table Suite』から『Dance of Satan』という流れの素晴らしさ。
渾身のチャルメラサウンドに絡むミルフォードとドンプーレンも佳い。

決まりとしたいが、なぜかアルトの幻聴が聴こえてくる。
ドルフィーか! 『G.W』も『Fire Waltz』もやたら似合う。これか?
待てよ……じゃあ阿部薫もアリのはず。DIWの騒シリーズを引っ張り出す。

第三集の『Chim Chim Cherry』のソプラニーノにやられる(毎回だが)。
台風で空を吹っ飛ぶジュリーアンドリュースまで幻視できそう。
ローガンやドルフィーを消化してないと、こんな演奏できないよなぁ……。

決めました。台風の日に聴くべき一曲は阿部薫のソロインプロ、
『Solo Live at GAYA Vol.4』より26分余にわたる『Chim Chim Cherry』。
そして思い出す。明日、9月9日は阿部の命日だ。何たる偶然よ。




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