Nicotto Town



『ガメラ対ギャオス』と『小さい逃亡者』


帰宅が早かったのでテレビをつけ番組表を見たら、
『ガメラ対ギャオス』のリマスター版が放送されている。
観ました。堪能いたしました。私は幼時に封切で見てるのです。

現在のJR山手駅から下る大和商店街に小さい映画館があって、
そこで観たはず。懐かしいなぁ。しかし見事な特撮映画だ。
子供心をわしづかみにする素敵な仕掛けがそこら中に散りばめられている。

ギャオスの見事さも書かねば。直線的なフォルム、夜行性、魅力的な鳴き声、
人間を喰う、超音波で何でも切り刻み空を飛ぶ。完璧な怪獣です。
回転台におびきよせ、目を回させる『回転作戦』は子供でもお粗末だと思った。

少々脱線。横浜駅東口にスカイビルという建物があり、
その上階はスカイラウンジという回転するレストランでした。
幼い頃、そこで食事するのが怖かったのはギャオスのせい。

さて見終えて気になったことが。当時は二本同時上映だったはず。
もう一本何か観た気がする。なんだっけ……調べてみました。
『小さい逃亡者』、史上初の日ソ合作のアドベンチャー映画。

Wikiのあらすじを読んでなんとなく思い出し、動画サイトでトレーラー見て、
「あ……見た観たミター!」と記憶がよみがえりました。
私はソ連に好感を抱いておりますが、おそらくこの映画のせいですね。

監督は戦前から活動する巨匠、衣笠貞之助。
出演は京マチ子、宇津井健、安田道代、宇野重吉など後の名優が並び、
ソ連の有名都市が次々に出てくるので異国情緒たっぷり。

ルドルフ・バルシャイが指揮するモスクワ室内管弦楽団も出てくる。
ボリショイサーカスも見られる。当時のソ連が自国をどう認識させたかったか、
プロパガンダの側面も強いわけですが、今となってはそれも味でしょう。

ストーリーは『母を訪ねて三千里』に似てはおりますが、
孤児がソ連に父を捜しに行くというあたり、戦後の雰囲気も濃厚。
出会うソ連人は殆どみな良い人。ほらね、ソ連に憧れるでしょ。

ところで驚いたことに、ソ連のゴーリキー撮影所というのは、
実は現ウクライナのドヴジェンコフィルムスタジオだという。
モスフィルムではなかったのね。でも色彩のトーンが似てるなー。

映画館で最初に観たアメリカ映画は『ファンタジア』だった。
『小さい逃亡者』と『ファンタジア』の印象は、
おそらく幼児の私のソ連観と米国観の土壌になったはずだ。しみじみ

うーむ、ギャオスも良いけど『小さい逃亡者』も見直したいな。
主演の少年が、いかにも戦後昭和の日本男児らしくて懐かしい。
しばらくは古本屋のDVDコーナーで探してみようかしら。

#日記広場:映画




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