Nicotto Town



即興演奏家 ジョンポールジョーンズ


「レッドツェッペリンの何がスゴイのかワカラン」と仰る人が大勢を占めている。
なんのモンダイもないのであります。それはそれとして。
ジョンポールジョーンズが9月に新宿PIT INで2Daysをやるとの知らせが。

チェロ奏者との即興デュオで来日し、彼はピアノとエレクトロニクス担当。
ゲストが大友良英、ジムオルーク、2日目ラストで芳垣安洋と納得のメンツ。
ちょっと聴きたいものですな。おっと、ジョンジーと前衛について説明しよう。

ツェッペリンの中で最も過激な音楽性をもってるのがジョンジーなわけです。
例えば『ノー・クォーター』のエレピのソロ。若い頃は退屈に感じたが、
トーナリティーを提示し、不協和音を使わないインプロとして見事だと思う。

ディアマンダ・ギャラスをご存じかしら? 過激な女性ヴォイスパフォーマー。
パティ・ウォーターズ、メレディス・モンク、モンゴルのサインホ、
ニナ・ハーゲン、ダグマー・クラウゼ……このあたりと並び称される偉人。

ギャラスとジョンジーが組んだアルバムに『The Sporting Life』ってのがある。
序盤はギャラスのアラビックなヴォイスパフォーマンスにジョンジーが
各種エレクトロニクスで絡み、突如Zep的リズムをバックにギャラスが絶叫。

壮絶にカッコいい。ツェッペリン『移民の歌』を超えてると思います。
それでいてPOPさも漂ってる。ジョンジーがギャラスの陽性を引き出してる。
ギャラスの音場構築系作品よりも、遥かに聴きやすく楽しい作品です。

ツェッペリンというのは4人の化学反応で生まれた唯一無二のバンドですが、
ジョンジーの寄与した部分が過小評価されてますよね。
ベース弾きとしてもスゴイけど『異物』としての彼も評価すべきですな。

PIT INの演奏、メンツ見て脳内で予想したんですけど、
イギリスのジョン・スティーブンスが率いたSMEっぽい音になりそうです。
ジョンジーの乾いたユーモアが上手く音になるといいなー。

なおZEPファンにご忠告。最終セットで芳垣が入るからといって、
アンコールでZEPの曲を演ることを期待して足を運んではいけませんぞ。
今回のジョンジーは即興演奏家として来るんだから。ココ大切。

「イギリス人はどれだけシリアスなものにもユーモアを込める人種だ」
首肯できる発言です。ドイツのユーモアと違う、シニカルな冷笑ですね。
英国のプログレッシブなバンドの共通項でしょう。前衛を含め。

勝手な予想。ジョンジーのことだから、おそらくサンプラーも使いそう。
ペイジ、ボンゾ、プラントの演奏や声をサンプリングしといて、
意表を突く場所で入れて笑いを取るのではないか。大友は喜びそうだ。




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