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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(2)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (2)

輓近我が文壇に自然主義の這入つて來た光景も亦た「日の出前」と呼びたい。茲では文壇の夜あけがたに、何時となく東山の第一峯から鮮やかな一道の光を射上げて來た。萬物は一濟に頭を回らして之れを見つめてゐる。中には早く既に若い日の息に感じて歡呼の聲を...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(1)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (1)

    文藝上の自然主義

        一

『日の出前』とはハウプトマンがドイツに自然主義を廣めた新社會劇の名であるが此の名には慥に一種のシムボリズムが含まれてゐる。一評家が言つた如く、作者はあれ程暗澹悲痛の人生を描きながら、...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(48)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|三 (5)

地も、草も、人も、生活といふものに疲れ果てゝ、やがて彼方の寺から響き來る夜の鐘の音をたよりに、一夜をせめて安らかに休息せんとしてゐる。人間は何故に斯うしてまで生きて行かねばならぬか。分からぬものは運命の意味である。所謂近代的...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(47)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|三 (4)

美は生の増進である。是れほど功利的なものは無い。こゝに何等か人生自然の眞理を描いた一幅の畫があるとする。例へばフランスのミレーが畫いたアンゼラスの圖でもよい。滿幅鳶色がゝつた田園の夕暮に、若い夫婦の百姓が一日の勞作を了へて、...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(46)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|三 (3)

第一義の功利といへば、直ちに宗教問題のトルストイ、社會問題のゾラ、道徳問題のイブセン、乃至理想だの、眞理だのと、雜多な道具が提出される。併し吾人のいはゆる第一義は是等で無い。是等は依然として第二義の功利で、たゞ操練や、名標と...

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