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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(63)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十四(2)

宗教的といふときは、人は直ちに露西亞のトルストイを連想するならん。されども茲にいふところは之れと異なり。思ふに、トルストイは既成主教に囚はれたるにあらざるか。見よ、彼方の赤き道より、殿として登場するものは、此の聖人なり。彼れが教義を具象的に見得...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(62)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十三(5) - 第十四(1)

此の瞬間、我れはまた知識を以て其の境の假實を儉するに堪へざるなり。其の他ワグナーのジーグフリートが、鳥の高音に導かれて、歌ひつれながら、ブリュンヒルデの長夜の眠りを醒さんと火もて圍める巖上に登り行くあたり、ロルチングのウンデヰ...

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*近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(61)註

*註1:斯くの如き畫に
原本では文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。
「畫」の俗字体(一説に本字とも)。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ga_kaku.jpg

*註2:神秘
「神」の旧字体。扁の「ネ」が「示」。...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(61)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十三(4)

斯くの如き畫に就いて見るも、神秘的文藝は理知を要せず、また之れを有せず。尋常の事象よりして、直ちに或る深奧不可思議なる感情に闖入す。中間に理知の容啄を許さず、是れ其の知識的文藝に反して起るべき資を有する所以なり。
更にまた神秘的と連續して見らる...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(60)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十三(3)

獨乙近代の畫家といふときは、人まづベクリンとメンチェルを擧ぐ。メンチェルが畫ける所は、宮廷的貴族的のもの多くして、最も有名なるは今伯林の王城にある先帝戴冠式の圖なり。寫實派の巨擘と稱す。之れに對してベクリンは過去數十年を代表すべき理想派畫家の棟...

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