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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(17)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (17)
其所へ娘のエリーンが入つて來る。夫妻はぎよつとして振り向くと、娘も一寸おど/\した樣子で、何事か起つたのですかと聞き問ふ。茲に於てパウラは最早席に得堪へずして此室を出て行つて了ふ。エリーンは其擧動に不審して、父に向つて、パウラはア...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(16)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (16)
パウラは答へて、然うです、アーデールと私は一時一緒になつて居ましたといふ。オープレーは一言も發せず、目瞬きもせずにパウラを見詰めるばかり。パウラは尚も夫に向つて、斯樣に打明けた以上、さア貴方は此顏を打つても尚足りないと思はれやうが...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(15)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (15)
渠は勿論エリーンの情人アーデールの先刻茲所へ來たのは知らないのであるから大喜びで入つて來て、今コーテリオン未亡人に聞て見ると、アーデールといふのは申分の無い人物で、軍人として印度に勇名を轟かした立派な若者である。お前も定めてエリー...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(14)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (14)
それが第三幕の終りで右に言つた如く危險の形勢にまで高つて來たのであるから、次に第四齣の大破裂の場は自ら想像せられる譯であるが場所も矢張同じ家の同じ室で、若きアーデールが必ず自分との關係をば匿してくれよと死を以てパウラに迫つて置て出...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(13)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (13)
其の文句の趣意は、自分で種々考へて見たところ、一旦あゝいつたが矢張り父の傍を離れて居るも本意でない、傍に居つて其寂寥を慰めるのが、天に居る母の意にも叶ふであらうから、妾は父上の傍に歸つて行きたい、呼んでくれといふのである。パウラは...

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