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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(33)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(3)

全局の調子はたしかに人間化したり。されど、人間化して、尚ほそこに神的清淨あらば、是れ神と人との和合にはあらずや。隔絶不可思議を許さずして、むしろ之れを人間に引き下さんとせるは、やがて近世思潮の意義なり。神人一致、、語は古けれども、意は常に新たにし...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(32)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(2)

青、赤、黄、白、茶、橄欖等の色の鮮やかにして、而も沈痛の氣を失はざる、脚下及び周圍の群のおのづから尋常の物ならずと思はるゝ、是等は茲にくだくだしく言ふ迄もなかるべし。最も驚かるゝは、此の聖母が顏なり。中にも其の眼こそ世界の不思議といふべけれ。
サ...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(31)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(1)

      第七

第三期のラファエロは、獨逸ドレスデンの畫堂にある、サン、シストーのマドンナを以て、遺憾なく表出するを得べし。此の畫は、彼れが死する前二年、千五百十八年の作と傳へられ、或る評家は、之れを以てラファエロが一代の聖母像中最も傑出せる...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(30)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第六(6)

金翅雀を持てる聖兒等を膝に倚りかゝらせながら、左手には書を繙きたる聖母の顏に、一點現實の氣の漲り來たると共に、其最も著しき表情は、怜悧、聰明、といふが如き標徴なり。されば之れを見るに、賢女の相あり、而もなほ、温良、純潔、信仰といふが如き感は油然と...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(29)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第六(5)

一言以て言はば、生命無し、否、生命は無きにあらざるも、狭隘なる既成教義の下にのみ生ける生命なり、不自然に抑壓したる生命なり、若しくは人世の行路に惱み疲れたる、氣魄消沈、寒枯痩貧の生命なり。近世の始めは正しく此くの如き宗教的抑壓の下より醒起して、光...

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