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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(6)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(2)

街衢の全觀、たとへば水干《すゐかん》の袖を張りて烏帽子を戴けるものゝ如し。烏帽子は宮殿なり、束帶の紐の垂れたるが如きは三條の王道なり。而して宮殿の背後はすなはち一面の大庭園、其の規模の大にして其の按排の精微なるは、眞に人の目を驚かす。後の自然式建...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(5)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(4) - 三(1)

されど其の最も顯著なる時尚は、發して雄健の氣、英邁の態を帶びたる裝飾美術となりぬ。雄健の氣、英邁の態、之れを統ぶるものは力なり。力の發現、是れ實にナポレオン帝國の精神にして帝國式と稱する藝術の生命また茲にあり。帝國式藝術の標現は偉大...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(4)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(3)

然れども其の建築内に裝飾を加ふるに及びて既に大に後のロココの風を成せり。或は之れをバロック(Barock)式と見る。畢竟やゝ原始的なるロココに外ならず。而してのち、マントノンの世はポムバドゥアの世となりて、茲に所謂ロココは其の發展の頂上に達せり。...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(3)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(2)

ルイ十五世の内廷には寵妃ポムパドゥア及びデュバリーあり。ポムパドゥアは絶世の美人と稱す。王官祿を以て之れを廷臣の妻たる身分より購ひ得て妾となす。宮殿は是れよりたゞ彼の女《じよ》が紅嬌翠艶の化粧の間《ま》と化し了んぬ。
さはれ是等は尚ほ言ふに足らず...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(2)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(1)

      二

ルイ家《け》三代の文明は、煥發して、ヴヱルサイユ[#「ヱ」は小文字]の宮殿となれり。宮殿の全部は、やがて一彙の藝術にして、富麗豪華の態、眞に世界の何ものも以て比するに足らず。十七八世紀の歐洲の文華は、佛蘭西に精粹を萃めて、此の一...

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