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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|動的美學(5)

■近代文藝之研究|時評|動的美學(5)
斯く動といふことが我等に顯著なる効果を生ずるには、深い理由があらう。人間の本然は決して動といふものを單なる遊戯冗談として看過する能はざるものである。對境に動が起こる。我等の性は、直ちに全力を之れが看視に向ける。自家の存立を保護せんためには、意識的にも無意識的に...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(4)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (4)
而して斯かる種類の興奮を起こすべき條件を、明かに研究せんとすれば、之れを其の客體に求むるに如くは無い。然るに之れを客體に求め得た結果は、矢張り動といふことである。客體の上に動あるときは、之れが中樞機官に起こす興奮は、官能組織に動を生ずる。但し實際客體の上に動...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(3)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (3)
さらば動とは何であるか。曰はく明かに定着の反對、靜止の反對である。變化、運轉、消長といふが如き状態に一貫する現象である。日常世人のいはゆる動である。別に特殊の意義があるのでは無い。而して斯かる意義にての動が、やがて美の一般的原理となるの事實は下の如くである。...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(2)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (2)
申すまでも無く、動といふことを美の説明原理としたのは、強ち此の著者が始めとはいはれませぬ。近くはリップス氏なども一部の説明としては、既に此の意を用ひてゐます。たゞ之れを美の全體に渉るべき原理、美學の唯一根據と見て、爲めに一書を成したのはダーメン氏が始めであり...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(1)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (1)
     動的美學
是れは私の説ではありませぬ。獨逸のテオドール・ダーメン(Theodor Dahmen)と申す人が千九百三年に出した『美の理』(Die Theorie des Schoenen)といふ美學書の大要を紹介するに止まります。此の書には、標題の下...

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