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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(42)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (1)

        六

吾人は成分論に入るに先だつて、冩實主義と自然主義との干繋を概説する必要を認める。蓋し冩實主義のみは、他の科學問題、社會問題等と異なり在來文藝上の一傾向でまた範圍の廣汎なもの、自然主義と近似したものと見えるからである。


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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(41)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|五 (5)

さてロマンチシズムの中から分立した自然派は、直に世間から新しい應援者を得て之れと結合せんとした、其の第一に來たのが文藝上の冩實主義である。自然がロマンチシズムから分解することは冩實主義と化合することであつた。啻に冩實主義のみでない、之れを手始め...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(40)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|五 (4)

そこで自然主義は文學のゾラ、繪畫のモネー等によつて、實驗小説といひ印象派といふ旗印の下に擁立せられた。同時に今までの同伴者は凡て敵として斥けられた。情緒派は狂〓にまかせて事實を誇張するが故に自然を傷ひ、理想派は事實に選擇作爲を加へて原形を變ずる...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(39)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|五 (3)
彼の詩にも畫にも、殊さらに煩瑣な寫實的自然的描寫が挿入して無いではないが、それはむしろ邪魔にはなつても妙所とはならぬ。全體の特色は矢張り極めて濃厚な情緒的傾向にあつた。要するにラファエル前派は始めから分離すべき二面を強ひて括り合はせた主張であつた...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(38)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|五 (2)
然るに此の情緒的と自然的といふ二面の目的の調和は不可能であつた。團結後僅かに兩三年ならずしてラファエル前派は早くも瓦解した。同志は各々其の傾くところに從つて自個本來の方向に特色を發揮して來た。中について最も著しいのはロゼチである。彼は單獨となつて...

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