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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(37)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (5)

更に之れを事實に近づけて言へば、たゞ遊び事をして人に娯樂を與へてゐるやうな藝術では、無意識で、劣等であるやうに思はれて、眞面目にやる氣がしない。もつと嚴肅な意義が見出したい、そこで人生の眞相を露呈せしめやう、科學の眞理を敷衍しやう、社會問題を研究...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(36)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (4)

今自然主義の場合に之れを當てはめると、其の所謂眞が含む道徳的意義も此の意に於いて是認せられる。茲では畢竟實際的意義が眞といふ名を被つて快樂と相擁して以て美の要求を全うせんとするものである。自然主義は文學をして道徳應用の門に降らしめた者では無い。眞...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(35)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (3)

また實際的意義である、併しながらそれが其のまま快樂であり、懷かしく忘れ難いものでなくてはならぬ。此の境を吾人は先づ大まかに美と名づける。されば美は一體であるが、其の判斷評價を分解するときは、常に二元的傾向を有する。一方には快樂の度で藝術に高下の品...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(34)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (2)

されば若し斯やうな統一目的から離れて實際的意義のみ傑れた作品があつたら、それは文藝としては價値の無いものになる。道徳を説くものであつたら修身書になり、教義を説く者であつたら説教集になり了するであらう。之れに反して快樂のみある作であつたら、やがて講...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(33)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|五 (3) - 六 (1)

蓋し此等の三意義を一貫するものは道徳的又は實際的目的である。自然主義の動機乃至目的は、道徳(廣義の)上にあつて、文藝の上に無いのでは無いか。即ち自然主義は文藝獨自の目的によらずして道徳問題、科學問題、世相問題を取り扱ふが爲に存在の...

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