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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本(7)

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (7)
此「ゼ・ミローア」(鏡)の作者はロシナ・フヰリップといふ女作家であつて、作は當時眼識ある社會に好評を博したものである。これはかの松山鏡(?)の傳説を飜案して、これに近世的なシンボリックの意味を加へたもので、女主人公はおハナといひ、これに其夫ミウラと今一...

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■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本(6)

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (6)
然るに斯樣な意味で日本を材料に使つて居たのが、近時に及んで漸次變つて來て、寧ろ眞面目な意味でもつて日本を材料にする傾向になつて來た。殊に最近日露戰爭前後からといふものは、倫敦あたりの寄席劇場などで出す日本物までが、多く同情的な眞面目な作になつた。亞米利...

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■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本(5)

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (5)
そこで話が前に戻るが、日本を材料にして居るのは以上に述べた何の意味に中るかといふと、ピヱル・ロチー物など、また引續て出て來た幾多の同脈の作は、概して好奇心に驅られたのが多いのである即はち前に言つた樣な深い意味で日本を材料に取つたのではなく、寧ろ輕薄な、...

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■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本(4)

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (4)
ワイルドな〓[#「宀」+「サンズイ」+「駸」の旁]もすれば野性を帶びた蠻的な、從て男らしいやうな人物行爲は、今少しくワイルドな蠻的な社會に一層起り易い。而して其ワイルドな蠻的な中にも人間の美といふものは見出される。現代の傾向は或る意味に於いて、餘りに紳...

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■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本(3)

■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (3)
つまり此前に話した小説中のアドヴエンチユアスなどいふ事と同じ系脈に屬して居る。冒險的な非常な事をするには、如何しても文明の社會よりは亞非利加や印度の方が行り宜い。それであるから善くいへば、斯樣に亞非利加や印度などが歐羅巴の文學の中に入つて來るのは、つま...

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