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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(24)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (5)

吾人は之れを以てたゞ如何に種々なる自然主義があり、また如何に多くの詩人、否殆んど凡ての詩人が自然主義であり得るかの例としたに過ぎぬ。ブランデス氏の此の論は必ずしも凡て首肯すべきものでは無い。同じやうな混雜はブリュンチェールのフランス文學史にも見...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(23)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (4)

更に此の意を押し及ぼすときは、所謂イギリス自然主義の種々なる名目となる。ブランデス氏が言ふところ、「イギリスに於ける思想の傾向としての自然主義は、ワーヅワースに發現した、其の状態は凡て外に見はれたる自然を愛し、自然より得たる印象を蓄へ、動物...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(22)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (3)

續いて十八世紀の末に出たワーヅワースは、其の『抒情歌集』第二版の序に於いて、詩はたゞ平凡境に於ける強い感情の自然の流溢を平凡の言葉に調べ出だすに止まる、詩に特殊の辭法無く、特殊の人生無しと喝破し、且つ最も自然の景に愛着して、自己と自然物との...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(21)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (2)

ルソーは其の第一論に於いて筆も言葉も及ばぬ自然の偉大を嘆美し、第二論に於いて言語なく習慣なく道徳なく戰鬪なき原始社會を想像し、教育小説『エミール』に於いて「造化の手に成るものは凡て善、人間の手に成るものは凡て墮落」の意を述べた。一切人間の技...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(20)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (1)

        三

ロマンチシズムの文藝が斯くの如き途を辿り盡くさんとしてゐる時、忽ち行く手に一路を展開し來たつたものが自然主義である。文藝史上に自然主義の名を最も明白に掲げたものは所謂フランス自然主義であるが、主義と名のつかぬ自然主...

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