Nicotto Town


盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(9)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(5)
今までは理《ことわ》りなくして人の言ふことを眞とし、習慣を眞とし、心の底より頻りに出で來らんとするものを却つて罪惡として撲滅せんと考へて居た。然し是は決して撲滅すべきではない、却て是を自覺して特性として擴張すべきものである。大膽な眞面目態度を以て發...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(8)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(4)
だから文學者として最後の勝利を得るものははつきり[#「はつきり」に傍点]と自己の特色を持つて他の何人も模すことを得ざる個的《インヂヒヂアル》の、性格である作家の個性の優劣即ち文學の優劣となる傾向を有して居るのである、此點から見ても文學者たらんとする...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(7)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(3)
昔は人の性質を心理學上から多血質とか、膽汁質とかいふ風に分けて、何の性質が何《ど》の方面に適すると云つたものであるけれど、然う鮮明《はつきり》と區別の付くものではない故、寧ろ事實的に漠然と言つて置く方が適切と思はれる。たとへば頭の工合の偏した傾のあ...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(6)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(2)
けれども自己研究は必要なるに拘はらず頗る困難で中々自己を知るといふことは容易に出來ることではない。分明《わか》らねばこそ古來の文學者にして全然《まるきり》違つた方面から入り込んだ人も多く、又現に成り了せて外からは天晴れな文學者と見られる人ですらも、...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(5)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (一)(5) - (二)(1)
勿論社會が逼迫して行くに從ひ何れの方面にも生活上の問題は伴ふけれど、文學に於て特にその傾向が甚しく、殆ど文學と生活難とは必然關係とでも云ふべき程の性質を持つて居る、箇樣な状態であるから一種の折衷策、又は安全策として前述の生活上の餘...

>> 続きを読む





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.