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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(36)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十(2) - 十一(1)


すべてこれ歡樂圓滿の姿なり、粉脂温柔の氣、歌舞周旋の態、到るところに充ちたり。壁に名畫を懸け、床に名器を列ね、柱に彩紋を施し、天井に神仙を刻む。二百の房子之くとして是れならざるはなし。人間富貴の家も亦た極まれるかな。

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(35)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十(1)

      十

幾變遷の後のヴェルサイユは、一箇の美術宮たるに過ぎざれども、其の昔は、眞に情海無限の波瀾をこゝに寄せたり。庭の構へは冷《つめた》きまでにクラシカルなり。膨らみに微妙の線を見せたる古代の石瓶、冷靜の美を希臘に寄せし大理石の彫像、此...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(34)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 九(4)

此の點を超ゆるときは、形式美の原理盡きて、内容美の原理其の作用を始む。すなはち、寫生の意を援《ひ》き來たりて、模樣の中に繪畫の味を點加するなり。而して唐草模樣の多くは、また此の原理をも適度に包含す、其の謂ふところ成長の原理(Inflorescen...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(33)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 九(3)

我等は以上の説より更に一歩を進めて、卷曲線の上に同一の原理を認めんとす。之れを例へば、蕨の芽、浪の頭《かしら》の如き圖紋は、其の軸に於いて直線若しくは非常に鈍き曲線をなし、其の頂《いたゞき》に及びて急遽彎卷して、而も圓《ゑん》に還らず、次第に其の...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(32)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 九(2)

曲線の連續によりて複雜なる一切の美を説明し去らんとするの難事たるは言ふまでもなけれど、之れによりて形式美の一面たる變化活動の理を標示するの思想は、注目に値するものたり。また『裝飾意匠の原理』と題する書を著はせし英のドレッサー(C.Dresser)...

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