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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(37)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|五 (1)
        五
ロマンチシズム内の自然主義が他の同居者と分離せざるを得ざる事實は、繪畫及び文學にわたつたイギリスの一主義、ラファエル前派の始終によつて最も明に證據だてられる。此の派の首領とも見るべきロゼチが言ふ所によれば、ラファエル前派はラフ...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(36)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (8)79此に至れば繪畫上の自然主義は十七世紀に於いて早く十九世紀前半の文學が有する自然主義よりも一歩を進めてゐた趣がある。併しながら是れを後の印象派の自然主義に比べれば、尚そこに單純と複雜との距離を存すること勿論である。吾人の論は後の自然主義に入らねば...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(35)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (7)氏は先づ自然主義を以て、外形を細かに寫すよりも自然の全體を我が情趣の助けで描くにあるとし、レムブラントが『ラザルスの覺醒に於ける基督』の如きは、救世主の顏すら明瞭には見えず、其の姿勢また他のイタリー畫に多くある如く仰々しい興奮的動搖をば示さず、救世...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(34)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (6)今日から見れば歴とした自然主義であると同時に、所謂ジャンル畫の風も是れから興つて、其の餘勢は遠く北方オランダに及び茲に十七世紀の前半を輝かす大繪畫を生んだ。それは即ちレムブラントの世相畫肖像畫等である。レムブラントの世相畫がカラワ゛[#濁点付き片仮...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(33)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (5)
複雜なる近代自然主義の説に入るに先だつて、今一つ繪畫史上に見落とすべからざる事實は夫のジャンル即ち世相畫の自然主義である。繪畫に於ける初期の自然主義は、むしろ此の方を重要と見るべきかも知れぬ。是れ亦た端を十六世紀後半のイタリーに發して、畫家カラワ...

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