■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(48)
- カテゴリ: その他
- 2009/09/22 17:39:37
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (7)
美學者ハルトマンは、シャスレル。カリエール等を論ずる條に於いて、冩實説の理想説に對立する意義の不明瞭なるを難じ、また其の本論に於いても、假象説の立場から、文藝上の現實自然といふことを難じてゐるが、それらの場合、自然主義と冩實主義の間に明確な區別...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (7)
美學者ハルトマンは、シャスレル。カリエール等を論ずる條に於いて、冩實説の理想説に對立する意義の不明瞭なるを難じ、また其の本論に於いても、假象説の立場から、文藝上の現實自然といふことを難じてゐるが、それらの場合、自然主義と冩實主義の間に明確な區別...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (6)
一二、の學者が外形の模冩から内面の模冩といふ思想に一歩を轉じた事はあつても、大體に於いて外形的模冩論がギリシャ思想の特色で、同時に古代の模冩論と近代の模冩論との區分も此の點にある。外形の模冩、自然の模冩、之れを中心とする點に於いて、冩實主義はク...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (5)
勿論ギリシャにも事實此の以外の傾向はあるが、吾人がクラシカルといふ時の中央概念は外形本位といふことである。クラシシズム即外形主義、而して外形を本位とする限りは、自然が現實に造り出してゐる者以上の標準は無い譯であるから、茲に外形に見はれた自然すな...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (4)
今先づ冩實といふ語について見んに、かの哲學者として最も詩味ある美學を立てたシェリングは、之れを中世以後の理想主義に對してギリシャ藝術の特色であるとした。而して哲學者ヘーゲルは同じギリシャの藝術をクラシシズムに分類した。されば此の兩家を突き合はす...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (3)
自然主義と冩實主義との哲理上の干繋は、一層精確に論ずれば、凡そ三様の見解に歸する。第一は兩者を全然同一と見なすもの、第二は兩者間に程度の差ありとするもの、第三は兩者全く質を別にすると見るものである。蓋し美學上から此の問題を論ずるには文藝は何を如...