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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(63)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (3)

他の一方、印象派的自然主義の主張は、結局一旦斥けた作家の主觀を或る方式で再び挿入しやうといふのである、作家が一旦自然の事象を感受して、自分の印象に纏めてそつくり再現しやうといふに歸する。前に擧げたシュタイン氏の情趣説の如きが即ち此の論に該當する...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(61)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (1)

        九

自然主義そのものゝ研究は之れを構成上及び價値上の二面に分かち得る。吾人は先づ其の構成論を概説しやう。
自然主義の構成は二點から見られる。第一は描寫の方法態度第二は描寫の目的題材である。
第一、描寫の方法態度から自然主義を分...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(60)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (7)

併しイブセンが作中の標象神秘の味は必ずしも晩年に限らず『ロスマースホルム』の如き自然主義の作にすら神秘の味はある。『幽靈』なども同様である。是れは必ずしも自然主義に對する反動ではあるまい。要は、自然主義といへば直に之れを以てあらゆる趣味を除外す...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(59)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (6)

之れを劇の上に見ても、劇界の自然主義はドイツを最とすべきであらうが、其のドイツに自然主義の入つたのは實にフランスで反動期といはれる千八百八十年代ではないか。而して間もなく茲にも反動として標象主義、神秘主義がハウプトマンやズーダーマンの劇に入つて...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(58)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (5)

此等は反動で無くしてむしろ反對者の多い中を十九世紀の末まで闊歩して來たといふ概ではないか。ただ古來ゾラ等の自然主義ほど八面攻撃の矢面にさらされた主義は少ない爲め、利弊長短が明かに見えすくといふ事、及び歐洲全般の思想界が科學主義の過重に對して反動...

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