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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(21)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|三 (3)

例へば路傍に性の知れない異體のものが横はつてゐる。先づ斯やうな知的現象が意識の鏡に映じた時、我等ははつと思つて驚き見つめる。我れの是れに對する態度を定めるため先方の正體を見極めんと注意を一時に之れに集める反應である。而してそれが行倒れであつたと知...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(20)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|三 (2)

吾人は論の煩瑣を避けるため茲に或度以上の論據を假定して、審美的主客觀ともいふべきものを極ざつと取り出して見んに、論の順序として先づ心理的主客觀から出立する。即ち吾人の意識内に於いて知的現象は(判斷までを含めて)凡て客觀であるとし、情意的現象は凡て...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(19)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|三 (1)

        三

自然主義論に對する種々の非難の中、先づ外形の純客觀的といふことに關聯して起こる疑問は、之れを作者の心内に求めては、果たして無念無想といふ如きことがあり得るか否かといふ事、また之れを作り上げた物に求めては、果たして全く主觀の交...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(18)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|二 (15)

如何にも此等が眞實の世相であると感ずると共に、それを本にして眞面目に其の周圍、其の連續、其の奥を想ひまはさしめる人生は味ひの深いものだといふ氣持を起こさせる。たゞ其の事柄だけは面白く見せても、延いて人生の味ひといふ氣持にまで我等を導く必然性の無...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(17)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|二 (14)

更に此等の作が提起する内容について言ふと、『何處へ』は未發展の作であるため周圍が充實してゐないに拘らず、作中の諸性格たとへば主人公や織田や、主人公の父や、乃至降つては博士の妻君や其の夫や、それ/″\のスケッチだけで既に其の周圍もおの...

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