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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界…(2)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|一 (2)

色だから分ける必要は無いといふやうな空疎な抽象の議論をする者が、吾人の此の論に對する最低級の反對者である。此の種の論者に對して便宜の爲に二つの言葉を作つて置く。すなはち廣い意味での實生活は直ちに用ひなれた人生といふ語で掩うてよい。...

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■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界…(1)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|一 (1)

    藝術と實生活の界に
    横たはる一線

        一

憧憬の本體を現實の生に求めんとする思想が現れて文藝上の自然主義となる。吾人は「自然主義の價値」論の結末で此の意を一言して置いた。されば當然次いで來たるべき考...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(53)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|十 (4)

而して吾人は是れに更に第三段を加えて、直ちに絶對神秘の一物を指し、中間の説明を以て滿足せざらんとする宗教的傾向を、之れ亦た一般思潮が既成宗教から去つて求めんとする所あるに合期すると見る。絶対最上の一物を理想に求めるものが偏に上に向つて終に人生を超...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(52)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|十 (3)

本能滿足主義については多く言ふを待たぬと信ずる。道徳の上から發足して直ちに本能(就中獸的)の滿足のみを實行の目的とせよと叫ぶものがあつたら、論は同じく道徳の上から決せらるべきである。之れに反對すると同意すると、凡て身を道徳の地に於いて定むべく、賛...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(51)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|十 (2)

思ふに高級の文藝は凡て此の恐れを豫見して立たなくてはならぬ。多數の後れた人と少數の進んだ人といふ杆格は、やがて社會道徳と文藝との杆格である。文藝は性として半途半熟を許さぬ、常に全力的でなくては大なるものは出ない。斯う考へて見ると多數の後れたものと...

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