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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(45)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|八 (4)

約言すれば是れによつて本當の世相を知らせる。拵へ物の人生でないものを味はせるといふに歸する。決して人生を此の一面に限らうといふ解決や理想では無い。從つて必ずしも是れでなくとも、増さず減らさぬ人生でさへあれば何でもよい譯である。事實に徴して見ても、...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(44)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|八 (3)

作者は肉的生活が善いとも靈的生活が善いとも自然が善いとも文明が善いとも言わぬ。そんな風に思はせやうともせぬ。思はせやうとしたら即ち邪道である。されば現實の一相として取り扱ふ限り還元主義もよいと同じく、光明主義も唯愛主義も皆よい。十分の力を用ひて之...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(43)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|八 (2)

從つて此所にまた他の種々の解決が生じて、個人主義にも社會主義にも本能主義にも唯愛主義にも嚴肅主義にも之くであらう。さもなければ凡てを信ぜざる絶望のナイヒリズムにも入るであらう。要するに斯くして何れにか相對的理想を求めて之れに解決の安心を托せんとす...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(42)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|八 (1)

        八

斯う解して見ると、文藝上の自然主義は文明對自然、精神對物質、理想對現實といふ所まで、一般思想上の主義と通じてゐる。けれども吾人の見る所を以てする時は、兩者は此の點を追分にして相別れるものである。文明に對して自然を見、精神に對...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(41)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (4)

而して文明は既にありふれたもの、自然は新たに作者が掘り起こして來たものであるため、おのづから注意は後者に集まる。自然主義の文藝と言はれる所以である。他の一は、科學といひ人生の暗黒面といひ、みな根底に現實といふこと、而して五官を通ずる物的現實といふ...

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