■近代文藝之研究|研究|知識ある批評(4)
- カテゴリ: その他
- 2010/04/12 00:02:19
■近代文藝之研究|研究|知識ある批評 (4)
盖し世の短見者流が往々にして懷く誤謬は、批評を以てさながら、創作者の爲めにするもの、隨つて創作者は批評家に對して「我れは批評を要せず」といふの權利あるかの如く思惟すること、是れ一、次には批評が單に創作の後に生ずるといふを以て、直ちに批評は創作の下位に隷...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|知識ある批評 (4)
盖し世の短見者流が往々にして懷く誤謬は、批評を以てさながら、創作者の爲めにするもの、隨つて創作者は批評家に對して「我れは批評を要せず」といふの權利あるかの如く思惟すること、是れ一、次には批評が單に創作の後に生ずるといふを以て、直ちに批評は創作の下位に隷...
■近代文藝之研究|研究|知識ある批評 (3)
批評はそも/\如何にして起こるか。一文藝に對して下したる價値の判斷、及び此の判斷の知識的説明、此の二要素が批評といふ言葉の正常な内容である。此の作品は美しい。彼の作品は美しく無い。美しいにも甲と乙とは程度が違ふ、丙と丁とは具合が違ふ。此所までは我等の文...
■近代文藝之研究|研究|知識ある批評 (2)
眞に豐熟した創作心には、決して知識の蔑視といふことは含まれて居らぬ。あらゆる知識、最高の知識を悉く自己以内に沒収し去らんとするところに、大いなる創作心の威嚴が存するのであらう。創作に取つては、知識は擯斥すべきものでなく、招徠すべきものである。秀吉ほど家...
■近代文藝之研究|研究|知識ある批評 (1)
知識ある批評
鑑賞┐ ┌研究的──美學
│ │
├批評┤ ┌人格的┐
│ │ │ ├力を説理に代ふ
│ └説定的┤文學的┘
...
■近代文藝之研究|研究|近代批評の意義 (30)
而してアーノルドの説くところも結局は文藝を道徳上の實目的、若しくは評者の個人格から離れて批評せんといふに歸する。文藝は文藝みづからの目的法則に從つて判斷せよ、他より標準を〓(「ニンベン」+就)ひ來たる勿れといふのが中心の趣意である。アーノルドの説は...