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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(59)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十三(2)

知識は常に感情を手取りにして、解體し殺戮せんとす、是れ事實なり。文藝はすなはち感情を斯くの如き危險より拯はんが爲め、知識の足がゝりとなり爪がゝりとなるべき一切のものを包被し、若しくは除去せんとすることあり。之れを、我れは名づけて神秘的といふ。哲...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(58)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十二(5) - 第十三(1)

ピネロは地位に於いてアーサー、ジョーンスと共に英國劇作者界の泰斗たれども、イブセン風なる問題劇の末路甚だ振はず。動々もすれば過去に屬する者と見られんとす。其の回頭期を示したる『後のタンカレー夫人』以來、また一世を動かすべき作な...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(57)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十二(4)

やがて是れイブセンが提起せる道徳問題なり。我れは思ふ、是れ好個の哲學なり、含蓄ある知識なり、イブセンは、巧みに之れを感情の海にすくひ取りて、一流の文藝をなせり。されども、其の所含あまりに明瞭なるが爲め、新奇の色を失はざる限りは、人の視聽をも動か...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(56)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十二(3)

されども、イブセンが取り扱ひたる問題は、ゾラが、飲酒問題、金力問題、教權問題といふが如きものを取り扱ひたるの故を以て、社會問題に携はれりと稱せらるゝとは類を殊にす。イブセンの問題は更に深し、道徳問題なり、而かも第二義道徳にはあらずして、第一義道...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(55)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十二(2)

されど茲に自然主義と手を分かちて行きし一派あり。十九世紀の兒と生まれし限りは、事に觸れ物に接して、知識は泉と湧き絲と縺れて止め途なし。彼等は、此の含蓄豐かなる知識をとりて、生きたるまゝ直ちに文藝の俎上に抛たんとす。科學者の爲す如く、死なして之れ...

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