■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(63)
- カテゴリ: その他
- 2010/09/22 00:08:22
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(7)
個人としては前に名を擧げた外、ピサロー(Pissarro)ルヌア(Renoir)シスレー(Sisley)以下一々記する限りでない。ドガーのパリー風俗、殊に下層の婦人や寄席に出る踊子等を畫くに得意なのは、モネーの海を好んで畫くのと一對、またベ...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(7)
個人としては前に名を擧げた外、ピサロー(Pissarro)ルヌア(Renoir)シスレー(Sisley)以下一々記する限りでない。ドガーのパリー風俗、殊に下層の婦人や寄席に出る踊子等を畫くに得意なのは、モネーの海を好んで畫くのと一對、またベ...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(6)
けれども印象派の立意に存する價値は否むことがことが出來ない。今では機械的な傳彩法の方が此の派の眼目のやうに思ひなされてゐるが、實際の精神は、色彩で以て自然の最も眞實な刹那に肉迫するといふ趣意に存すること勿論である、其の他之れが結果として畫題...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(5)
其の邊は專門家が腕で決すべき問題である。繪畫上の色彩法は凡て印象派形式でなくてはならぬか。現に之れを折衷し加味するものはあるが、全然是れのみで行くものは必ずしも殖えて行くと限らぬ傾は無いか。或程度までの色や影は比較的容易く出やうが、其の以上...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(4)
今此派の改革が與ふる利益の重なる者を言つて見ると、彼等は始めて從來種々の色調が硬ばつたまゝ、はつきりとした輪廓で割據して容易に調和しなかつた部分色の困難を脱し得た。色調を空氣の如く柔にして、自然のまゝの大膽な色が凡て自由に溶け合ひ得るやうに...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(3)
斯うして上は全くの空白から下は眞黒い影に至るまで、あらゆる階段の色は凡て原色の價値の配合で出て來る。而して所謂原色の範圍性質や其の塗抹法等は人により流儀により種々であつて、例へばフランスのは青地がゝつたのが多くイギリスのは赤地がゝつたのが多...