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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(58)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(2)

さて彼等は何うしてこんな、手に取り難い光のやうなものを描かうとするか。此所から彼等の科學が始まる。彼等は物の形象を分解して色から成り立つとし、而して色とは畢竟其の事物が大氣を通じ光線を借りて我を刺戟する力すなはち價値(Value)の種々に外...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(57)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十三(1)

        十三

そこで論は再び印象派の事に返つて、以上のやうな影響の下に生じた此の派の主張は何れにあるかといふに、先づ其の印象といふ語に幾重かの意味があり得る。即ち先づ其の寫す事物の最も個的なる時間の現象を描きたい、最も個的な時間の...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(56)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十二(8)

雜誌『スチュデヰオ』の記者がペン畫鉛筆畫を論じて、昔は描圖(Drauing)といへば線で描くことを意味してゐたが今は全く線を沒することによつて物の眞形を與へることを意味して來た。針尖で描く線畫すら刷毛で描くものゝ跡を追うて來た、といふ如く、...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(55)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十二(7)

最後の線畫といふことは、日本では特殊の意味を持つて居て、また特殊の問題を殘してゐるがそれは今こゝで論ずべきで無い。線畫としての日本畫が洋畫に及ぼした影響は、強いて求めれば、彫畫(Etching)鉛筆畫、ペン畫等の上にあらうが、併し是れは多く...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(54)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十二(6)

從て稚拙不自然と同義語に見做される意味での日本畫の裝飾趣味は事實少しも洋畫に影響を及ほしては居ない。若し影響したとすれば、それは純裝飾美術即ち模樣畫の上にである。此の點は後の線畫の條と相通ずる。けれども茲に他の半面がある。それは稚拙不自然と...

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